沖縄において長く政治を動かしてきた「オール沖縄対自公」という対決の構図が、完全に崩れた最初の選挙となる。
 高市早苗首相のあまりにも唐突な「自己都合解散」により超短期決戦となった衆院選が、きょう公示される。
多党化と新党結成で政治が流動化する中、異例ずくめの選挙戦だ。
 県内は4小選挙区に、これまで16人が立候補を表明している。
 辺野古新基地建設に反対するオール沖縄勢力は、1区で共産の前職、2・3区では中道改革連合から立候補する前職2人の支援を決めている。中道は立憲民主と公明が結成した新党である。
 オール沖縄にきしみが生じているのは、2区で社民県連の一部が独自候補を擁立したことだ。新基地反対候補が競合する4区と合わせ二つの選挙区が「分裂選挙」となる。 
 辺野古に基地を造らせないという一点で「腹八分、腹六分」でまとまり、2014年の知事選で翁長雄志知事を誕生させたのがオール沖縄だ。知事選直後の衆院選では4区全てで勝利。しかし最近は退潮傾向が顕著で、前回衆院選では2勝2敗と議席を分け合った。
 新基地反対はオール沖縄にとって譲れない政策である。辺野古に関する新党の考え方をどのように有権者に伝えていくかが、選挙戦の大きな課題となる。
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 自維連立政権発足後、初の衆院選でもある。
与野党の枠組みが一変したことから、自民公認の1~4区の前職4人は、四半世紀以上続いた公明との強固な協力関係が望めなくなった。
 名護市長選の打ち上げ式があった24日、公明から中道に合流した比例九州の前職は、渡具知武豊氏応援のマイクを握った。連携の維持が渡具知氏3選の勝因の一つでもあった。
 その公明党県本部は26日、中央の決定通り2~4区は中道の候補を支援すると発表した。きょうの第一声では2区の中道候補と並び支援を訴えるという。
 他方、沖縄でも存在感を示しつつある参政党は、1~3区に候補者を擁立。国政選挙で躍進目覚ましい国民民主も初となる公認候補を4区に立てる。
 新興勢力の勢いも相まって、これまでにない混沌(こんとん)とした情勢だ。
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 衆院選の争点は、消費税減税や「政治とカネ」、外交・安全保障政策など。沖縄の基地負担軽減も重要なテーマである。
 高市首相は衆院選後に進める政策としてスパイ防止法制定などを列挙する。衆院選の結果次第では中央政界の再編につながり、改憲の動きなどが一気に表面化する可能性もある。

 県内では知事選の枠組みや共闘態勢に影響を与えることになるだろう。
 構図の激変に戸惑っている有権者も少なくない。候補者には政策のより丁寧な説明を求めたい。
[社説][2026 衆院選]きょう公示 有権者に丁寧な説明を...の画像はこちら >>
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