琉球エアーコミューター(RAC)の宮古-多良間便が今月から連日ほぼ満席で、住民が利用しづらくなっている。
 「マイル修行」と呼ばれる飛行機の利用方法が影響しているという。

 同便は1便当たり50席。1日2往復の計4便が運航中で、住民にとっては重要な交通手段だ。
 村在住の女性は宮古島市への通院で予約しようとしたが取れず、やむなく診察をキャンセルした。1カ月以上も満席で予約が取れないことはこれまでになかったという。
 来島できず肉用牛の初競りに参加できないケースも出ており、経済活動にも影響が出ている。
 村が来月予定していた乳幼児検診も、医師などスタッフが航空券を取れず3月に延期された。
 マイル修行とは「マイル」の数に応じた特典を目当てに、より多くのマイルを獲得しようと搭乗回数などを増やす行為を指す。各航空会社は搭乗回数や距離などに応じて会員にマイルを付与している。
 RACを含む日本航空(JAL)グループは搭乗回数が増えるほど会員としての「ステータス」が上がるサービスを行っている。加えて今月から運賃の割安キャンペーンを始めた。
 マイル修行の客は到着しても空港の外に出ず1日に何便も乗り継ぐこともある。飛行時間が25分と短い宮古-多良間便は手軽に搭乗回数を増やせるというわけだ。

 キャンペーンが続く2月末まで満席状態となっている。
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 宮古島との往復便はフェリーもあるが、1日1往復と限られるほか、冬場は天候による欠航も少なくない。このまま満席状態が続けば生活にも経済活動にも悪影響を及ぼす。
 事態を受け伊良皆光夫村長は航空会社や県に改善を求めた。村議会も両者に働きかけている。
 RACは急きょ増便を決めたものの、2月中に5日間だけでは効果は限定的だ。
 ただ、事は住民生活に関わる問題だ。満席状態の解消が急がれる。
 JALグループはマイル修行の客に島の窮状を知らせ、キャンセル料を課さないなどの柔軟な対応をとってほしい。
 自身の何気ない行為が、島の生活を混乱させていることを知る人はほとんどいないのではないか。本来の目的で利用する人のために席を空ける工夫が求められる。
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 航空会社からすれば、どのような形でも利用はありがたいのかもしれない。

 だが、住民生活に支障が出るような利用の仕方は理解を得られない。
 交通機関は重要なインフラであり、中でも航空機は多くの乗客を速く目的地に運ぶことができる交通機関の一つだ。
 離島で暮らすわれわれにとっては日常生活に欠かせない移動手段である。こうしたことが起きないよう付与の在り方の見直しも検討してほしい。
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