宜野湾市伊佐の2カ所のマンホールから1月29日、白い泡が噴き出した。
 目撃した人によると、泡は午前8時半ごろには確認された。
最大で2~3メートル四方に広がり、一時は人の腰ほどの高さまで膨らんだという。
 泡が引いたのは午後0時半ごろだ。道路は4時間近くも泡で覆われていたことになる。
 現場は国道近くの住宅街。北側にキャンプ瑞慶覧、南側には米軍普天間飛行場があり、マンホールには普天間飛行場からも排水が流れ込んでいる。
 普天間飛行場周辺では2020年に有機フッ素化合物PFASを含む泡消火剤の漏出事故で大量の泡が風に乗って住宅街に飛び散ったことがある。
 付近の湧き水や井戸では国の指針値(PFOSとPFOAの合計値で1リットル当たり50ナノグラム)を超えるPFASが検出されており、住民が不安に思うのは当然だ。
 しかも同じマンホールからは22年に2回、昨年も1回と過去に計3回も泡の噴出が確認されている。
 宜野湾市の調査で22年10月の採水結果はPFOSが1リットル当たり16ナノグラム、PFOAが5ナノグラム、PFHxSが2ナノグラムだった。同年11月の結果もいずれも指針値以下だった。
 一方、市は昨年の採水結果を公表していない。
 昨年は別の2カ所のマンホールからも泡が出た。

 人体や環境へのPFASの影響は不明な点もある。市民の不安を解消するためにも採水結果の積極的な公表が求められる。
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 なぜこの地域で繰り返し泡が噴出するのか。発生源の特定も急ぐべきだ。
 米軍嘉手納基地や普天間飛行場の周辺の湧き水や井戸から、高濃度のPFASが検出されたのは10年前にさかのぼる。
 以降も検出は続いている。今回、在沖米海兵隊は「泡消火剤の漏出はなかった」として関与を否定した。
 ただ、付近の下水管は米軍施設とつながっている。泡の原因は他にもあり、米軍の回答は不十分だ。
 今回の現場は21年に米軍がPFAS入りの汚水排出を強行した経路とも重なる。普天間の泡消火剤は現在PFOS、PFOAを含まないものに切り替えられたというが、専門家は当時のPFASが配管に残っている可能性も指摘する。
 基地の中と外で徹底した調査が必要だ。

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 米軍基地周辺の湧き水や井戸などでPFASの高濃度検出が判明したのは16年のことだ。
 米軍は昨年12月、汚染源特定のため県が要請してきた基地内立ち入り調査を拒否した。県を10年近く待たせた末の不誠実極まりない回答だ。
 この間、県内では基地周辺の水源から取水する水道水への汚染も問題となっている。
 汚染源の特定は県民生活に関わる。
 今月8日に投開票を控える衆院選では基地内への立ち入り調査をどう実現するかについても問うべきだ。
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