米軍普天間飛行場を含む県内11の米軍施設・区域の返還について日米が合意したSACO最終報告からことしで30年となる。
 衆院選沖縄選挙区では基地負担軽減の取り組みについても各候補者が公約に掲げている。

 普天間の危険性除去は基地負担軽減の象徴だ。
 名護市辺野古の新基地建設の是非は対立軸となっている。
 政権与党の自民、維新の候補者は「賛成」「容認」の立場だ。普天間の危険性除去が最優先とし、「(他に)実現可能な策があれば別だが、ないという現実がある」という。
 野党側の中道、共産、社民、れいわ、参政は「反対」とする。「軟弱地盤があり完成できるか分からない」とし、普天間の早期の危険性除去にはつながらないとの見方を示す。
 国民民主は「どちらでもない」としている。
 新基地建設は、普天間飛行場の早期返還につながるかどうかだけではなく、地方自治の観点などからも重要なテーマである。
 この間、新基地建設を巡る国と県の法廷闘争は終結。国は「代執行」を強行し昨年は埋め立ての大半を占める大浦湾側での土砂投入が始まった。
 反対の民意が何度も示されたにもかかわらず、政府は「辺野古が唯一」として推し進めてきた経緯がある。
 そうした力任せのやり方は、地方自治を否定する。
政治に求められるのは対話の姿勢だ。
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 衆院選のさなか、米軍は嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行した。
 日米合意では伊江島補助飛行場で実施することになっているが、「例外規定」を理由に嘉手納での訓練が常態化している。
 嘉手納基地は3市町にまたがる。県や周辺自治体は住民に危険が及ぶとして度々訓練中止を求めてきたが、聞き入れられない。
 こうした状況をどうすれば改善できるのかも問われている。
 2006年の再編ロードマップでは海兵隊のグアム移転も盛り込まれた。公表から20年近くたちようやくおととし第1陣の移転が始まったが、後が続かない。
 米軍嘉手納基地より南の米軍施設・区域を返還する統合計画(13年)も、返還予定面積のうち返還済みはわずか73ヘクタール(6・97%)にとどまる。目に見える負担軽減を進めることが求められる。
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 この間、急速に進められてきたのが自衛隊の「南西シフト」だ。日米合同訓練の大規模化などに伴い、先島諸島では米軍による空港や港の利用が増えている。

 このままでは、さらに基地負担が増える可能性がある。
 国際情勢は変化している。そうした中でも沖縄の基地負担軽減をどう進めるのか。米軍基地の集中をどう解消するのか。各党、各候補者には具体策を提示してもらいたい。
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