衆院選の投票日を迎えた。
 真冬の超短期決戦という異例ずくめの選挙で、政策を浸透させる時間も、議論を深める時間も、吟味する時間も短く、戸惑いを隠せない有権者も少なくない。
だが私たちの未来を選び取る選挙だ。ぜひ投票所に足を運んでもらいたい。
 高市早苗首相は衆院解散を表明した記者会見で「私が内閣総理大臣でよいのかどうか、国民に決めてもらう」と語った。
 高市政権継続の是非が問われる政権選択選挙であると同時に、重要なのは「政策選択」の選挙でもあるということだ。
 争点はいくつもある。
 何よりも有権者が切実に感じているのは、家計を直撃する物価高だ。
 各党とも競うように消費税減税を訴えるが、財源議論は生煮えのまま、「政治の責任」が見えてこない。減税はもちろん助かる。しかし今困っている人への対策として即効性はあるのか、効果はどうなのか。
 防衛力の抜本的強化を図るため、高市首相は安保関連3文書の前倒し改定などを表明している。高市政権の下で大きく変わろうとしている外交・安全保障政策への有権者の判断も求められる。
 政治とカネ、外国人政策、選択的夫婦別姓…。
どのような社会をつくっていくのか、それぞれ大切な争点となる。
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 県内は4小選挙区に計17人が立候補している。
 公明党が自民党との連立政権から離脱し、立憲民主党と中道改革連合を結成し初めてとなる選挙だ。
 「オール沖縄対自公」という対決の構図が崩れた選挙でもある。新基地建設に反対する候補の競合に、新興勢力の勢いも相まって、これまでにない混沌(こんとん)とした情勢となっている。
 選挙戦のさなか、宜野湾市内のマンホールからPFASを含む白い泡が噴き出す出来事があり、住民に不安を与えた。
 県や自治体が中止を求める嘉手納基地でのパラシュート降下訓練も強行された。
 辺野古の新基地建設問題をはじめ基地負担軽減や日米地位協定の見直しは変わらぬ論点である。
 所得が低く、多くの離島で構成される沖縄では、生活に直結する物価高対策にも強い関心が向けられている。
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 今回の衆院選は、解散の翌日から投開票まで戦後最短の16日間しかなかった。
 そのため政策ビラなどの浸透が遅れ、豪雪地帯ではポスター張りも街頭演説もままならないという事態となった。
 有権者に政策を吟味する十分な時間が与えられなかったことの問題もしっかり見極めたい。

 ただそれでも、選挙は民主主義の根幹を成す制度である。棄権は白紙委任に等しい。
 それぞれの意思を1票に託そう。
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