林芳正総務相が、県と本部町、恩納村、北谷町、宮古島市、石垣市の申請に同意したことで、具体的な開始時期が決まった。
議論開始から20年近く、コロナ禍や制度設計を巡る紆余(うよ)曲折を経て、ようやくスタートラインに立った。
同意から1年かかるのは宿泊事業者や観光客、県民へ周知し、理解を得るためだ。県や市町村には丁寧に説明を尽くす責任がある。
都道府県単位で初めての定率制となる。1人1泊2千円を上限に、宿泊料金に連動する。物価上昇や宿泊単価の変動に対応でき、公平性を担保しやすい。
修学旅行やスポーツ大会出場などに伴う宿泊は免除される。3年以内の見直し規定があり、制度のはざまで新たに負担が増すケースが見つかれば、免除の対象を広げる必要がある。
沖縄の観光客数はコロナ禍前の水準に戻り、25年に再び1千万人を突破した。旺盛な需要は地域経済を支える一方、自然環境の悪化や、交通渋滞、ごみ処理の負担など、オーバーツーリズムを引き起こしている。
宿泊税の最大の意義は、観光の「量」から「質」への転換にある。
県と市町村が主体となって、地域の課題を解決し、魅力を磨く一歩となる。
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税収は県と5市町村の合計で年間77億円を見込む。その使い道に関する議論は、これからだ。
県は26年度に「沖縄観光振興戦略会議(仮称)」を設置する。それぞれの市町村でも話し合いが進む。
具体的にはサンゴ礁の保全、歴史文化の継承、観光地ブランドの強化、人材育成などが挙げられている。
これまで自治体の目は住民のいる集落に向きがちで、ホテルなどの並ぶ地域は後回しにされてきたという指摘もある。
目的税である宿泊税は、リーディング産業の観光に特化した財源として期待が高まる。
単なる既存事業の穴埋めではなく、「次世代への投資」を意識した使い道を探るよう求めたい。
制度への信頼を維持するには、使途を明確に示し、広報に力を入れるなど、透明性の確保は欠かせない。
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外国人観光客の増加などで、宿泊税導入の動きが加速している。
県は26年度予算で、事業者のシステム改修を補助する計画だ。ただシステムに違いがあるほか、小規模施設になると手書きで管理する事業者もあるという。
細やかな対応と研修、支援などが必要になる。
負担を求める以上、世界に誇る観光資源の保全や、受け入れ態勢の整備で目に見える成果を出し、県民や宿泊客の満足度を高め、「納得の土台」を強固にしなければならない。

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