今回の衆院選で、オール沖縄の支援候補が初めて全ての議席を失った。
近年は「選挙互助会」と揶揄(やゆ)されることもあったが、その互助会の機能さえ果たせなくなった。オール沖縄は自らの存在意義を検証する必要がある。
同勢力は2014年の知事選で翁長雄志氏を当選させる原動力となった。新基地建設反対の下に、保革の政治家と経済界が「腹八分、六分」でまとまってできた新たな政治勢力だ。
だが、国が強行する新基地建設工事を止められず、徐々に退潮。勢力の一翼を担った経済人や保守政治家が離脱していった。
衆院選の出口調査では、10~40代で自民が3~4割の支持を得た一方、オール沖縄を構成する中道などは1割未満だった。「高市旋風」があったとはいえ、若年層の基地反対運動への忌避感の表れとも読み取れる。諦めのような意識が県民の間で広がっている。
辺野古を巡る国と県の法廷闘争は終結した。国は「代執行」し昨年、大浦湾側への土砂投入を始めた。
工事を止め得るカードをほぼ失った今、辺野古を巡る闘争をどのように進めていくのか。工事は止められないのかという有権者の不安や疑念に、どう向き合うのか。まずは展望を示すことが、辺野古反対を掲げてきた同勢力の責務だ。
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玉城デニー知事は勢力の立て直しに向け「プレーヤーの私が調整役になるのは考えにくい」と語った。
玉城氏は過去2回の知事選で新基地建設反対を訴え当選した。オール沖縄を率いるリーダーは紛れもなく玉城氏であり、政党間調整に関与しない姿勢は無責任である。「完敗」で知事の求心力は低下しつつある。勢力の盛衰は知事の県政運営や秋の知事選にも直結することは明白だ。
これまで市長選で連敗はしても知事選や参院選の全県選挙ではオール沖縄が底力を見せ勝利してきた。その背景にあるのは、露骨な重い基地負担に反発する「声なき声」だ。
理念よりも党利党略を優先させた末の衆院選での分裂劇を有権者は冷ややかに見たのだろう。勢力を支えてきた「声」をすくい取れなかったことを重く受け止めなければならない。
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米国防総省が、辺野古新基地が完成しても、長い滑走路を別に確保しない限り普天間飛行場を返還しない考えを示していることが明らかになった。事実であれば、日本政府が繰り返す「辺野古が唯一の解決策」との主張は破綻している。
今こそ国会での議論が重要な局面だが、オール沖縄の衆院議員がいない。知事、オール沖縄を構成する政党は知恵を絞り、国内で再び辺野古問題が闊達(かったつ)に議論される環境づくりに力を入れてほしい。

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