オスロで活躍する舞台俳優の長女と、疎遠だった映画監督の父。母の葬儀に突然現れた父は、自身の新作への出演を長女に持ちかける。
彼らをつなぐのは「センチメンタル・バリュー(感情的価値)」がある古い家だ。家族にまつわる戦争の記憶など複雑な歴史が刻まれ、一筋縄ではいかない親子の愛憎が深く刻み込まれている。父はこの家を舞台に家族の物語を撮ろうとする。
 長女に出演を断られ資金難に陥った父は、米国の人気俳優を起用し米配信大手の出資を得るが、引き換えにノルウェー語の台本は英語に改変される。感情的価値より市場的価値が優先され、家族を描くはずだった作品が監督自身の手を離れていく。
 親子だから痛いほど分かる感情と、どうにも分かり合えないもどかしさ。私自身、親になったことで気付かされた心情もある。不器用な家族の複雑な模様は、多くの人の人生に重なり深い余韻を残すだろう。
(DX推進部・屋良朝輝)
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