[We ACT アクト 3・8国際女性デー]
 「うなぁ沖縄」が実施したアンケートには、さまざまな壁にぶつかりながらも、政治家として奮闘する女性たちの姿が浮かんだ。家事や育児、介護と両立する難しさに悩み、中にはハラスメントを受けたことがある人もいる。
それでも「負けずに頑張る」「未来のために政治に関わり続けたい」と決意を示し、誰もが政治参画できるよう「仕組みを変えたい」と意欲を見せる女性もいた。(社会部・嘉数よしの)

議会活動とケア労働の両立で最大のハードルは

 議員活動とケア労働の両立において「最大のハードルは 何か」との質問で最も多く挙がったのが、「会議や行事が夜間・休日にある」ことと、「代わりのいない責任感(休みにくい)」で、共に50%に上る。
 家事、育児、介護を「主に自分が担っている」とした女性が半数近くおり、ケア労働を担いつつ、昼夜問わず休日も公務や地域活動に時間を費やしている日々が垣間見えた。
 40代の子育て中の町議は「住民との対話は夜になることも多く、子どもと過ごす時間、経済的余裕もない。自己嫌悪に陥ることもある」と吐露。議員報酬は手取り20万円に満たないといい、「生活と議員活動の両立は非常に厳しい。それでも大きなやりがいがあって、同じ立場の女性や子育て世代が安心して政治参加できる社会につなげたい」と前を向く。

議員報酬のみで生活は維持できるか

 性別を理由とした不適切な接触など何らかのハラスメントを受けた経験がある女性も半数近くいた。
 政党や団体から支援を得る際に性別による壁を感じたことがあるかを問うと、21・9%が「強く感じた」「やや感じた」と回答。「意見が重んじられない」経験をした人がいた他、「万が一落選した時に生活できないことについて、女性には仕事のあっせんはないと言われた」人もいた。
 女性や若者に積極的に立候補を勧められるかを尋ねると、「できる」が31・3%にとどまり、今の報酬の在り方や働き方では難しいとの意見が目立った。
 報酬は自治体によって異なり、町村議員からは引き上げを望む声が上がる。
今年は29市町村議会で議員選が実施される。アンケートでは、現在の報酬から選挙費用を「準備できない」「難しい」と答えた人が半数だった半面、立候補に前向きな女性が70%を超えた。
兼業せず手取り16万5千円 「なり手不足」に危機感
 読谷村議の與那覇沙姫さん(41)は1月、自身の交流サイト(SNS)に議員報酬に関する動画を投稿した。「国保や年金などを引くと手取りは16万5千円です」。4年前に初当選して以降、兼業せずに女性、子育て世代の視点で活動してきたが、今の報酬では「なり手がいなくなる」と危機感を抱き、発信を決めた。
 村議会で報酬と議員定数の在り方を議論したところ。他市町村の議員とつながる中でも、報酬見直しの必要性を痛感した。
 シングルマザーで、一人息子は今春大学に進学する。学費や運転免許取得費用を工面するため、金融機関に借り入れを相談したところ、落選のリスクがあるからか、断られたこともある。今年ある村議選への立候補も検討中だが、「選挙費用をどうしようか」と悩むことが少なくない。
 それでも「現状を打破して政治を活性化させたい。次世代にも影響するから」と顔を上げる。
報酬や働き方、議員の役割についてもSNSで発信しつつ、勉強会などを開き「多くの人と一緒に考えていきたい」と決意を込めた。

読谷村議の與那覇沙姫さん

「新規参入妨げない変革を」うなぁ沖縄代表・玉城直美さん
 女性の社会進出が進む中、最も遅れているのが政治分野といわれる。市議会では女性が増えているが、町村議会は女性議員が1人もいない「女性ゼロ議会」が7町村ある。構造的課題があると考え、調査した。
 その結果、議員報酬の低さが影響していることが分かった。経済的負担が重い子育て世代は、やる気はあっても、手取りが20万円に満たなければちゅうちょしてしまう。選挙費用も工面しなければならない。女性はケア労働を担う割合が高いし、政治の世界は男性優位で精神的に疲労することもある。これらが絡み合って女性の政治参画を阻む。
 選挙で勝つには「地盤」「看板」「かばん」の資源が必要といわれるが、これらは男性や当選回数の多い人が有利となる。女性や若者が名乗り出ても、「我慢しなさい」といわれがちだ。新規参入を妨げない報酬、働き方に変えていかなければならない。
市議会と町村議会の格差是正、社会保障の整備、政治版「スタートアップ支援」といったことを議論してほしい。
 社会課題は多岐にわたり政治の変革を望む人は少なくない。人口減少も待ったなしの課題。各市町村の実情に照らし、住民と一緒になって改革を目指したい。(談)

うなぁ沖縄代表の玉城直美さん

 
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「夜間・休日の公務が負担」 「議員報酬だけでは生活できない」5割 沖縄の女性議員、悩み抱え政治に奮闘
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