原油価格急騰による影響は世界中に広がっている。
集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」は、2015年の国会で当時の安倍晋三首相が日本への石油供給が途絶えた場合に該当すると例示した。現状は国内に石油備蓄に余裕があり該当しない。
後方支援活動を行う「重要影響事態」も安倍氏が、先制攻撃した国への後方支援はあり得ないと答弁しており、政府は事態認定を否定している。警察権の行使である海上警備行動に関しても困難との認識だ。
だが、高市早苗首相は艦船派遣を明確に否定せず、曖昧な答弁を続けている。
今回のイラン攻撃は国連憲章や国際法に明らかに違反している。この状況で艦船を派遣すれば他国からの信頼が失われるだけでなく、日本が戦争に巻き込まれる可能性がある。
武力行使を目的とした「海外派兵」は自衛のための必要最小限度を超え、憲法上許されない。
高市首相は19日に予定されている日米首脳会談で日本の法律に基づき艦船は派遣しないこと、攻撃は国際法に反することを毅然(きぜん)とトランプ氏に伝えるべきだ。
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日本は原油輸入の9割超を中東に依存している。
政府は今回の事態を受けてロシアのウクライナ侵攻以来4年ぶりに石油備蓄を放出した。供給不安を和らげ、石油製品の流通を安定させるために妥当な判断といえる。
ただ、ホルムズ海峡の封鎖が続けば、エネルギー不足と価格高騰で国民の生活にさらに大きな打撃を与える。企業活動も脅かされ、日本経済に甚大な影響を及ぼしかねない。
憲法に照らしたとき、取り得る最善の策は、一日も早い停戦をイラン、米国双方に働きかけ、ホルムズ海峡の危険性をなくすことだ。
日本は伝統的に友好関係にあるイランとのパイプを生かし、外交による事態の沈静化を優先すべきだ。国連での停戦決議や、航行の安全を確保する多国間の協力体制を築くなど果たすべき役割は多い。
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ロシアによるウクライナ侵攻、米国のベネズエラへの軍事行動など大国による力の論理が横行している。このまま放置すれば各国の主権は形骸化し、国際法も無効化されかねない。
カナダのカーニー首相は、大国への依存を減らすための「ミドルパワー(中堅国)の結集」を呼びかけている。
今、重要なのは国際秩序の立て直しだ。高市首相は米国にすがりつくような従属的な姿勢を見せるべきではない。

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