沖縄県宮古島市と国立国語研究所(東京)は9日、1987年に旧城辺町が録音した宮古言葉の民話の音源に、絵や発音の表記、現代語訳を加えて編集した動画「知恵息子と砂川(うるか)牧」を市のホームページで公開した。劣化するカセットテープの音源をデジタル化して保存、活用しようと、2023年に両者が協定を結んでから第1弾となった。

 物語は、理不尽な理由で母を捨てた父を息子が知恵を使ってやり込め、父が飼っていた牛を母の元に持ち帰るというもの。町史編さんで収録した故新城トシさんの音源を、遺族の承諾を得て紙芝居風に編集した。
 10日、市役所で発表した宮城克典市教育長は「親しみやすい形で方言の魅力が伝わる内容になっている。今後も市民や世界の人々に宮古方言の魅力を発信したい」と話した。
 オンラインで出席した同研究所の五十嵐陽介教授は「宮古島の伝統的な言葉は消滅の危機にあるといわれている。今ある声を丁寧に残し、共有していくことが重要だ」と意義を語った。
 1990年に発刊した町史第5巻民話編の編さんで録音して現存する民話音声は全部で29話ある。市教委と同研究所は話者の遺族の承諾を求めているが、全ての連絡先を把握できていないという。承諾書の連絡窓口は市生涯学習振興課、電話0980(72)3764。
 動画はユーチューブでも視聴できる。(宮古支局・當山学)
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理不尽な理由で母を捨てた父を…沖縄・宮古島の民話の音源が動画に デジタル化第1弾に教育長「方言の魅力伝わる」
動画の公開を発表する宮城克典市教育長(左から2人目)=10日、宮古島市役所
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