読谷村座喜味の宙吹ガラス工房「虹」の稲嶺歩夢さん(28)が、「第77回沖展」(主催・沖縄タイムス社)のガラス部門に初出展し「e-no新人賞」に輝いた。琉球ガラスで「現代の名工」として知られた祖父の故盛吉さん、沖展会員で同工房の代表を務める父の盛一郎さん(54)に続く3代目。
ガラスを始めて3年ほどでの受賞に「まさかここまで大きな賞を取れるとは」と喜んだ。
 小さい頃からものづくりが好きで、祖父や父がガラスに向き合う姿を見て育った。「後を継ぐつもりはなかった」と言うが、仕事の付き合いでガラス製品を贈るようになって琉球ガラスの魅力に気付いた。作り手として修行を始めるとのめり込み、父の指導を受けて地道に腕を磨いた。
 出展したのは幅約58センチの「花火オブジェ大皿」。「わくわくする作品が作りたい」と、夜空に浮かぶ花火をイメージした。祖父や父のように廃瓶を溶かして再生したガラスを材料に仕上げた。そこには廃瓶のぬくもりやものづくりへの感謝も込めた。
 歩夢さんは「限られた色で花火をどう表現するか、冷めるまでの短い時間に形も決めなければならず難しかった」と振り返りつつ、「同じ作品が一つとして生まれないのも、廃瓶ガラスならではの魅力」と語る。
 今回、同部門に会員として出展した盛一郎さんは息子の創作について「限られた色でよく花火が表現できている。今後も楽しく、真剣にガラスと向き合い続けてほしい」と激励する。
 歩夢さんは父へ「発想や作り方が大胆で迫力がある。
とても尊敬している」とあこがれのまなざしを向け、「沖展には来年も挑戦し、琉球ガラスの奥深さや魅力を若い世代にも伝えたい」と抱負を語った。
(社会部・西口優子)
(写図説明)「花火オブジェ大皿」で「e-no新人賞」を受賞した稲嶺歩夢さん(右)と父の盛一郎さん=22日、浦添市・ANAアリーナ浦添
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