就活生のアンケート結果

 沖縄タイムス社主催の合同企業説明会で就活生に実施したアンケートで、生成AI活用の質問に対し「かなり活用している」「たまに」の回答を合わせると82・8%に上った。192人から回答を得た。
AIの活用法は、志望企業や業界の情報収集、提出書類のミスチェックといった作業にとどまらない。圧倒的な情報処理能力を背景に、人間の質問にも回答できるため、面接の練習相手までもこなす。キャリアコンサルタントはAI技術の進歩と普及は止められず「活用する方がよい」と認める。一方、「偽・誤情報が含まれることもあり、自分の考えをきちんと持たなければ危険な場合もある」と指摘する。

就活解禁の3月1日に開催された就職フォーラム。多くの就活生でにぎわった=宜野湾市・沖縄コンベンションセンター

 3月1日の合同企業説明会に参加した専門学校1年の女子学生(19)は、自分の性格や趣味、これまでの経験などから、向いている仕事をAIに質問したという。「自分では思いも寄らなかった業種を、根拠を持って提案され、志望職種の幅が広がった」
 琉球大学大学院の男子学生(23)はESの誤字や脱字のチェック、自己分析、企業研究など多岐にわたって活用。「生成AIに質問を繰り返すことで、自分の考えとは異なる回答がもらえ、新たな視点に気付かされる」と利点を説明した。
 取材したほとんどの学生が応募書類の添削に活用していた。誤字・脱字のチェックだけでなく、「自己中心的になっていないか」「もっと前向きにするにはどうしたらいい」などの質問や要望を通して、文章を手直ししている。
 1級キャリアコンサルティング技能士で、キャリアデザイン研究所の松堂美和子代表は「新しい技術とうまく付き合っていくのは重要」とする。

松堂(城間)美和子さん

 ただ、自分の体験や考えがないままでの活用に警鐘を鳴らす。
エントリーシートや面接での回答を求めると「一般論になりがち」と解説。「文章としてはきれいだが、内容が薄く、試験官にすぐ見破られる」とした。
 例えば「御社の理念に共感した」との回答。松堂代表は「理念のどの部分について、自分はどのように捉えたから共感できたという説明は当然必要で、自己体験を踏まえないと説得力は出ない」と強調。「自分という軸をしっかり持たなければ、AIに振り回されてしまう」とした。
 就活の基本は「自己分析」と説く。これまでの出来事を振り返り、その際にどう感じたか、その結果どのような行動を起こしたかなどを書き出し、掘り下げていくことが重要とした。「独りでやると視野が狭まってしまうことが多い。各学校やハローワークのキャリアアドバイザーを頼るのもよい」と述べた。
 生成AIについても、「しっかり自己分析ができている学生はAI利用で、さらに考えを発展させたり、面接対策に生かしたりして成長が早い」とする。
 AIは、事実に基づかない「ハルシネーション(幻覚)」や偽・誤情報を出力することもある。松堂代表は「情報の裏付けは必ず取る。
最後は、自分や先生など人間のチェックも忘れないでほしい」と呼びかけた。

金子宏一さん

 キリスト教学院大キャリア支援課の金子宏一キャリアアドバイザーは「AIの利用は驚くほど急激に増えている」とする。AIが書類添削を繰り返すうちに、個性が薄れていくこともあり、学生には添削前の書類を必ず残し、読み比べるようアドバイスしている。
 「AIは感情の機微をくみ取るのが苦手。経験を通して培った自分の考え、体験から得た感情を書くように指導している」と話した。
 「応募書類の作成を丸投げしている学生もいると聞いた」という就活生もおり、安易な活用が問題にもなっている。
 事実に基づかない「ハルシネーション(幻覚)」や偽・誤情報について、金子氏も「最後は必ず人間がチェックすることが重要」と解説した。
 2022年秋に登場したChatGPTの利用者は世界で8億人を超えたとされ、生成AIの社会への浸透は止められない。金子氏は「採用試験に活用する企業もある。新しい技術とうまく付き合っていくべきだろう」と指摘した。
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