自転車の交通違反に反則金納付を通告できる「青切符」制度が、今月から始まった。
 16歳以上が対象。
一時不停止や、傘差し、イヤホン装着での運転など113種類の交通違反について、3千~1万2千円の反則金を定める。期限内に納付すれば、前科はつかない。
 導入の背景には、自転車の事故や危険運転の増加がある。
 県内の自転車保有台数は2021年に約30万1千台、1世帯当たりでは約0・5台で、全国で2番目に少ない。
 ただ、自転車関連の事故は年200件台で推移しており、25年までの5年間で5人が死亡している。
 今回の制度導入に当たっては、多くの違反は指導や警告を前提としており、警察庁は「即座に反則金を科すわけではない」としている。啓発と段階的な取り締まりを組み合わせる設計になっている。
 一方で、重大な事故につながる恐れが高いスマホを見ながらの「ながら運転」やブレーキのない自転車での走行など悪質な違反は、警告なしで摘発される。
 酒気帯び・酒酔い運転、あおり運転などの特に危険な行為は、従来通り赤切符の対象となる。
 青切符の導入で、指導や警告、責任追及の実効性を高め、危険運転を抑止する狙いがある。
 自転車の利用者は、被害者にも加害者にもなり得る。社会全体で制度の理解を深め、悲惨な事故をなくさなければならない。

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 対象には未成年者を含む。交通安全教育について、警察庁は未就学児から高齢者までライフステージごとのガイドラインを策定するが、浸透しているとは言い難い。
 未成年者には特に慎重な運用が求められる。
 24年に県内で起きた自転車関連の事故213件のうち、小学生28件、中学生22件、高校生41件と高校生以下で全体の43%を占める。
 また全国の自転車事故のうち、自動車との出合い頭の衝突が55%で最も多く、自転車側の安全不確認や一時不停止などの違反が目立つという。
 事故を防ぐには、若年層を中心に自転車利用者への安全教育は欠かせない。
 「青切符」導入を機に、警察、自治体、保護者、地域などが連携し、学校、幼児教育や保育の施設で、交通ルールを周知する仕組みを作るべきだ。
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 「軽車両」に当たる自転車は、原則として車道の左側を通行する基本ルールの再確認も柱となっている。
 歩道を通行できるのは標識がある場合や高齢者、子どもなどに限られている。
 自転車の右側を自動車が通過する際、「自転車から右側に少なくとも1メートルの距離確保」といった新たな義務も加わる。
 沖縄では車道が狭い上、自転車専用レーンが不十分で、走行の安全確保が難しい場合がある。
 安全対策の強化とともに、自転車に配慮した道路環境の改善を目指す機会にしてほしい。
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