働く女性は増えたが、改革の歩みは鈍く男女の格差はまだ大きい。法の趣旨に基づいた取り組みを加速させなければならない。

 1986年4月に男女雇用機会均等法が施行されてから40年がたった。
 国連女性差別撤廃条約の採択を機に、批准のための国内法整備として制定された。職場において性別を理由とする差別を禁止し、男女が平等に能力を発揮できる雇用環境を整備するための法律だ。
 この間、女性の雇用者数は85年の1548万人から2025年には2879万人と倍近くに増えた。女性の就業率は50%を超え、今やなくてはならない「働き手」だ。
 働く女性の割合が出産・子育て期の30代で落ち込む「M字カーブ」は日本特有の課題と指摘されてきた。この間、育児休業の浸透や、保育所の整備などで解消傾向にある。
 一方、新たに浮上しているのが「L字カーブ」だ。働く女性の正社員の割合が20代後半をピークに30代以降低迷することを示す。出産・子育て期にパートなどの非正規に転換していることが主な要因となっている。
 非正規に転じれば収入が少なくなり、キャリアを積むことも難しくなる。
 背景には「家事育児は女性の役割」とする古い考え方がある。
夫との分担が進まず、家事育児と仕事の「両立」に悩む妻は多い。
 こうした強固な性別役割意識は少子化の要因にもなっている。民間調査によると女性が「産みたいけど産めない」一番の理由は「経済的な不安」で、次いで「仕事と家庭の両立困難」だった。
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 女性の登用も進んでいない。日本の企業の女性管理職比率は1割台で、フィリピン5割、欧米4割に比べ圧倒的に不均衡だ。
 格差是正につなげるため4月からは改正女性活躍推進法が施行された。従業員101人以上の企業は、厚生労働省のサイトなどで管理職に占める女性の割合を公表することが義務付けられている。
 県内企業における女性管理職(課長・部長級)の割合は25年度22・6%で、男女共同参画基本計画が目指す3割に遠く及ばない。
 出世のためには長時間労働が必要など「男並み」の働き方を求める企業風土が背景にあるのではないか。
 各企業は公表することで自社の課題を知り、是正に向けた取り組みを着実に進めてほしい。
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 登用の格差は男女の賃金格差にもつながっている。フルタイムで働く女性の賃金は25年、男性を100とした場合76・6にとどまった。

 格差は過去最少となったものの、近年解消のペースは鈍化している。
 中小より大企業が大きいという結果を見れば、法の趣旨が十分に浸透していない可能性がある。
 役員、管理職などの一定数をあらかじめ女性に割り当てる経済の「クオータ制」導入の検討も進めるべきだ。
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