俳優の二宮和也と小松菜奈が出演する川村元気監督の映画『8番出口』(英題:Exit 8)が、現地時間5月18日深夜(=19日午前)、フランスで開催中の「第78回カンヌ国際映画祭」で公式上映された。

 本作は、深夜に行われる特別上映枠「ミッドナイト・スクリーニング部門」に選出された。
ジャンルにとらわれない斬新な作品が集まるこの部門で、午前0時30分からの上映にもかかわらず、メイン会場であるリュミエール劇場には幅広い層の映画ファンが集まり、全2300席のチケットは完売。満員御礼となった。

 上映開始前、二宮、小松、川村監督らが会場に入場すると、観客は総立ちで拍手で迎えた。上映が終了し、エンドロールが流れ始めると、場内の照明がまだ落ちたままの状態で再び拍手が起こり、音楽が完全に止んだ瞬間、会場は熱狂的なスタンディングオベーションに包まれた。その拍手は偶然にも“8分間”に及び、観客全体が一体となる感動的な時間となった。

 二宮は笑顔で会場の端から端まで手を振り、小松は瞳を潤ませ、川村監督は「Merci beaucoup!(ありがとう!)」と満面の笑みで観客の声援に応えた。

 上映を終えた3人は「よかったね~!」と拍手を交わし、二宮は「カンヌの皆さんに温かく受け入れてもらえて良かったです。海外で映画を観るのは初めなので貴重な経験ができましたし、何よりいい思い出になりました」と喜びを語った。

 小松は「上映前から盛り上げてくれた観客の皆さんと、最初から最後まで同じ空間で映画を観られたことはとても意味のあることでした。真剣に作品と向き合ってきたことが報われたようで、そんな作品に関わった皆さんとこの時間を共有できて胸が熱くなりました」と振り返った。

 川村監督も「上映後の拍手がたまらなかったです。“このために映画を作っているんだな”という気持ちになりました」と、映画人としての原点に立ち返るような感動を口にした。


 映画『8番出口』は、2023年にインディーゲームクリエイター・KOTAKE CREATE氏が単独で開発し、累計170万ダウンロードを記録した人気ゲームが原作。無限ループする地下通路で“異変”を見抜き、脱出を目指すという異色のサスペンス・スリラー。日本での劇場公開は、8月29日を予定している。

■現地の観客の反応

「映画は素晴らしく、キャストの演技も印象的で圧倒されました。制作陣のみなさんに“おめでとう”の言葉を伝えたいです」(20代女性)

「息子がゲーム『8番出口』のファンで存在を知りました。原作のゲームに忠実に作られた、異変のあるいい映画だったと思います。息子にはやく話したいです」(40代男性)

「二宮さん、小松さん共に自然体な演技が素敵でした。特に、二宮さんは“迷う男”を忠実に演じられていて、まさに名演技! 自分の感情を上手に出していたと思います」(20代男性)
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