俳優の吉田美月喜が、スペイン映画『KARATEKA』(2026年スペイン公開予定)に出演することが27日、発表された。海外映画初出演となる吉田は、英語でのせりふも初挑戦となり、空手の日本人世界女王役を演じる。


 同作は、2019年制作の映画『列車旅行のすすめ』でスペイン最大の映画賞「ゴヤ賞」の新人監督賞にノミネートされ、同作で東京国際映画祭のコンペティション部門にも招待されたスペインの鬼才であるアリッツ・モレノ監督の長編映画3作目。撮影はスペインと日本の富士宮市、鳥取県にて行われた。

 物語の主人公は、東京オリンピックの空手女子形でスペイン代表として出場し、金メダルを獲得したサンドラ・サンチェス。サンドラが若い頃に空手のスペイン代表チームを離れた後、数々の苦難を乗り越えて、40歳になる直前に東京オリンピックで金メダリストとなるまでの半生を描く。

 サンドラをスペインの俳優であるアンドレア・ロス(映画『無人島につれていくなら誰にする?』など)、サンドラの空手のコーチのヘスス・デル・モラルをパトリック・クリアド(映画『レッド・バージン』)が演じる。

 そして、吉田はサンドラのライバルである空手の日本人世界女王を演じる。空手の形競技で活躍する日本のチャンピオンは、サンドラと何度も対戦する。ライバルでありながら、畳の上に立つ重みを分かち合える存在として、サンドラに深い共感を抱くようになる。吉田は、日本で空手のけいこを積んだ後、全編スペインにて撮影に臨んだ。劇中では英語でのせりふにも初挑戦している。

 吉田は、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』に出演しているほか、映画『あつい胸さわぎ』『カムイのうた』で主演をつとめるなど出演作が続く注目度急上昇中。昨年は劇場アニメ『ルックバック』で声優に初挑戦した。


 今回の出演について、吉田は「出演が決まったとき、本当に驚きましたし、同時に私に務まるのかと大きな不安も感じました」と率直な思いを吐露。「スペインの映画チームに参加できたこと、そして空手のすばらしさを知れたこと。本当にたくさんの人生の経験をさせていただきました。映画『KARATEKA』が世界と日本の架け橋となる作品になることを願っています」と伝えた。

【吉田美月喜のコメント全文】
『KARATEKA』に出演が決まったとき、本当に驚きましたし、同時に私に務まるのかと大きな不安も感じました。しかし、初めてアリッツ監督にお会いした時に「吉田さんは日本との架け橋のような存在になる」と言ってくださったのが、とてもうれしかったのを覚えています。

今回初めて空手を練習させていただいたのですが「礼儀・作法」の武道に通じる心も知ることができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

リハーサルと撮影を合わせて、1ヶ月以上もスペインに滞在させて頂きました。撮影では実際にサンドラさんが型を披露してくださったのですが、鳥肌が止まらず、思わず魅入ってしまいました。それと同時に、監督がこの型に惚れて映画を作ろうと思った理由がわかったような気がしました。

スペインの映画チームに参加できたこと、そして空手のすばらしさを知れたこと。本当にたくさんの人生の経験をさせていただきました。
映画『KARATEKA』が世界と日本の架け橋となる作品になることを願っています。
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