チャールズ・チャップリンが1925年に製作したサイレント映画『黄金狂時代』の4K修復版が、世界初上映からちょうど100周年となる6月26日に、世界同時上映されることが決定した。日本国内では、ヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田、アップリンク京都、伏見ミリオン座、KBCシネマ、シアターキノの6劇場にて上映される(配給:KADOKAWA)。

 チャップリンが脚本・製作・監督・主演のすべてを手がけた本作は、1925年6月26日、ロサンゼルスのグローマンズ・エジプシャン・シアターで初めて公開された。ゴールドラッシュ時代のアラスカを舞台に繰り広げるスラップスティックコメディで、彼の代表作の一つとして知られている。黒澤明監督や映画評論家の淀川長治氏も生涯のベスト映画として挙げた名作だ。

 1942年にはチャップリン自身の手により、音声効果、音楽、ナレーションを加えた「トーキー版」が再編集され、第15回アカデミー賞で2部門にノミネートされた。以降、この1942年版がスタンダードとして親しまれてきたが、今回上映されるのはオリジナルの「サイレント版」(1925年版)。初公開からちょうど100年目となる日に、4Kで修復され、指揮者・作曲家のティモシー・ブロックによる新たなスコアをまとい、日本では戦後初めてスクリーンによみがえる。

 この4K修復版は、今月開催された「第78回カンヌ国際映画祭」カンヌ・クラシックス部門に正式出品され、プレオープニング作品として世界初上映された。映画祭ディレクターのティエリー・フレモー氏は、「2022年のジャン・ユスターシュ監督作『ママと娼婦』、昨年のアベル・ガンス監督作『ナポレオン』に続き、今年のカンヌ・クラシックス部門は、チャールズ・チャップリンの『黄金狂時代』4K修復版の世界初上映で幕を開けます。リュミエール兄弟によるシネマトグラフ発明から130周年となる節目の年に、冒険・ロマンス・コメディが見事に融合したチャップリンの愛すべき傑作が、カンヌの特別プレミア上映にてその100周年を祝います」と紹介していた。

 6月26日の上映は、日本国内のみならず、アメリカ、フランス、イギリス、イタリア、ドイツ、ハンガリー、トルコ、イスラエル、ラテンアメリカ諸国、サハラ以南アフリカ、香港、ポーランド、ギリシャ、アルメニアなど、70の国と地域の映画館でも同時上映される予定(2025年4月25日時点)。

 当日は、数量限定で特製ポストカードのプレゼントも予定されており、さらにテアトル梅田とアップリンク京都では、日本チャップリン協会会長・大野裕之氏によるトークイベントの開催も予定されている(※詳細は各劇場の公式サイトにて後日発表)。

 チャップリンの珠玉の傑作『黄金狂時代』は、100年を経てもなお色褪せることなく、笑いとペーソス、そして現代にも通じる普遍的なテーマを通じて、私たちの心に深く響く作品。チャップリン映画のファンはもちろん、初めて触れる方にも、この特別な機会にぜひ劇場で、その魅力を味わっていただきたい。

■『黄金狂時代』について

プロデューサー・監督・脚本・編集:チャールズ・チャップリン
撮影:ローランド・トサロー
美術:チャールズ・D・ホール
製作:チャップリン - ユナイテッド・アーティスツ

出演:
孤狼な鉱山師:チャールズ・チャップリン
ジョージア:ジョージア・ヘイル
ピッグ・ジム・マッケイ:マック・スウェイン
ブラック・ラーセン:トム・マレイ
ハンク・カーティス:ヘンリー・バーグマン
ジャック・キャメロン:マルコム・ウェイト

1925年/アメリカ映画/本編88 分/スタンダード・サイズ/モノクロ/原題:THE GOLD RUSH

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