愛知県名古屋市で新たな国際映画祭「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」が開催される。期間は12月12日から17日までの6日間。会場は、ミッドランドスクエア シネマ、ミッドランドスクエア シネマ2、109シネマズ名古屋、NAGOYA試写室の各上映施設、名古屋モード学園&HAL名古屋などとし、上映作品は60~80本を見込んでいる(複数回上映含む)。

 本映画祭は、「クリエイター・ファースト」を掲げ、世界中の優れたアニメーション作品が集う国際アニメーション映画祭として新設。国際コンペティション部門、ニューウェーブ部門など計6部門を設置し、ジャンルや表現方法を問わない多様な作品を広く募集する。コンペティション部門の作品募集は6月11日から開始される予定だ。

 愛知県はこれまで、2005年の「愛・地球博」(来場者数約2200万人)や、国際芸術祭「あいち」、「あいち国際女性映画祭」、「世界コスプレサミット」など多様な文化イベントを開催してきた実績を持つ。今回の映画祭は、名古屋市が持つ文化・産業のポテンシャルを融合し、グローバルな創作交流の場として発展を目指す。

 自動車産業をはじめとする「ものづくり日本」の中核地域である愛知県において、クリエイティブ産業の振興とアニメーション文化の世界的な発信を目指す同映画祭には、国内外から多くのクリエイターや関係者が集うことが期待されている。

 詳細な日程や応募要項などは、公式ウェブサイト等で発表される。

■真木太郎氏(ジェネラル・プロデューサー)のコメント

 この度、愛知県知事大村秀章様ならびに名古屋市長広沢一郎様を始め関係者様のご尽力により、第1回「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」を開催する運びとなりました。

 アニメーションは日本を代表するコンテンツのひとつとして、映画から始まりました。その後テレビ、ビデオ、配信とそのメディアが変化するたびに多彩な進化を遂げ、今や世界中にそのファンを増やし続けています。デジタル化による表現技法だけでなく、作品のメッセージも多様な種類を生み出しています。この映画祭ではその「多様性を極めるコンテンツの価値」を広め、高め、進化させるエンジンになれるよう努力していきます。

■井上伸一郎氏(フェスティバル・ディレクター)のコメント

 この度ご縁があって「あいち・なごやインターナショナル・アニメ・フィルム・フェスティバル」のファスティバル・ディレクターを拝命いたしました。愛知・名古屋に根ざす自動車、航空機、工作機械などの産業を支えるクラフトマンシップは、アニメーションの制作現場に共通するものではないでしょうか。芸術・文化と親和性の高いこの地で、新しい映画祭を開催できる喜びをファンの皆様と共有したいと願っています。

■数土直志氏(アーティスティック・ディレクター)のコメント

 「グローバリゼーション」「ボーダレス」「次世代テクノロジー」、世界はいま大きく動いています。映像表現の最前線にあるアニメーションは、こうした文化・社会の変化や潮流を真っ先に映し出します。“アニメーションはこれからどこに向かうのか” “どこに向かうべきなのか” それらを知ることで、私たちは未来のカルチャーを垣間見ること出来るのです。

 「あいち・なごや」はアニメーションの世界でこれから起きることをいち早く捉え、提示する新しいスタイルの映画祭を目指します。世界から最先端のアニメーションカルチャーが集まり、それを通して地域と世界がつながります。ワクワクやドキドキが体験できる6日間、いままでにない何か特別なことが起こるところ、そんな映画祭を作りたいです。

■大村秀章氏(愛知県知事)のコメント

 愛知県で初めて国際的なアニメーション映画祭が開催されることを、大変喜ばしく思います。

 本県は、世界的に人気のある漫画『ドラゴンボール』の鳥山明氏や『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平氏など、多くのクリエイターの出身地として知られているだけでなく、国内外のファンを魅了する「ジブリパーク」や、世界最大級のコスプレの祭典「世界コスプレサミット」など、アニメーション文化と深く関わりを持っております。

 こうした地域の特徴を活かしながら、世界中から集まる才能あふれたクリエイターが、多様な世界観や高い創造力を作品に込めて発信することで、ここ愛知が国際的な文化交流の中心地となり、地域全体の活力が一層高まることを期待しています。本映画祭を通して、世界中の皆様に、心に残る感動や新たな出会いを体験していただければ幸いです。

■広沢一郎氏(名古屋市長)のコメント

 第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバルの開催にあたり、開催地の名古屋市を代表して、ごあいさつ申し上げます。

 本映画祭は、世界中からアニメーション作品を集め、上映、表彰、関連企画の実施等を通じて、日本のアニメーション界における文化と産業の発展、人材の発掘・育成につなげることを目指して開催するものです。開催にあたり、関係者の皆様のご理解とお力添えをいただき、深く感謝申し上げます。

 「世界コスプレサミット」発祥の地である本市は、コスプレ・アニメを日本一楽しめ、世界一あたたかなおもてなしをするまちとなることを目指し「コスプレホストタウン宣言」を行っております。また、日本が世界に誇る、スタジオジブリの世界観を表現した唯一無二の公園施設、「ジブリパーク」を近隣に擁しているなど、アニメーションはすでに当地域の魅力のひとつとなっていると考えております。

 この本市のアニメーション文化を活かし、本映画祭では、アニメーションの文化的価値を世界に発信し、国境を超えた多様な文化交流を創出して、「アニメ大国、日本」のブランドイメージを強化できるよう支援をしてまいります。本映画祭の成功と、今後ますますのアニメーション界の発展を心から祈念し、私からの祝辞とさせていただきます。

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