開演時間の午後6時、会場が暗転すると1曲目「ティンカーベル」がスタート。詩羽はステージではなく、客席を練り歩きながら登場。ファンの間を縫うように歩く姿に、会場から大きな歓声が上がった。続く「バッキンガム」では観客が“合いの手”を完璧に合わせ、会場の熱気は一気に高まった。
「水曜日のカンパネラの詩羽です!」と韓国語で自己紹介すると、客席からは「おー!!」という拍手と歓声。サウンドプロデューサーのケンモチヒデフミも韓国語のMCに挑戦し、観客の笑いを誘った。「ディアブロ」では「いい湯だね!」の日本語の掛け声に観客が応じ、和やかな空気が流れる。「聖徳太子」「シャルロッテ」ではダンサーも登場し、手拍子や手の動きで一体感が生まれた。
「金剛力士像」ではクールな演出で雰囲気が一転。「赤ずきん」では恒例のオオカミダンサーが登場し、演出が次々と変化していく。「たまものまえ」ではキツネのダンス、「こんここん」では合いの手が揃い、観客の楽曲理解の深さがうかがえた。
「ナ?」の呼びかけに「カワイイー!」と返す恒例のやり取りもあり、会場の一体感がより高まっていく。
そしてこの日のハイライトとなったのが、新曲「シャトーブリアン」のパフォーマンス。会場のスクリーンには韓国語で書かれた肉の部位の名称が映し出され、「シャトーブリアン!!」の大コールが響きわたった。途中、牛の着ぐるみ姿のケンモチがステージ前に登場し、「シャトーブリアン」と書かれたカンペを掲げるユニークな演出もあり、笑いと歓声に包まれた。
その後は、「動く点P」で再びクールな世界観を展開。「一寸法師」では観客4名をステージに招き、ともにパフォーマンスを披露。「ステージ」と「客席」の境界が取り払われるような演出で、さらなる一体感が生まれた。続いての「桃太郎」では、「きっびっだーん、きびきびだーん」のコールアンドレスポンスの中、詩羽がウォーターボールに入り客席の上を転がる恒例パフォーマンスを披露。観客のテンションは最高潮に達した。
同ツアーのタイトルにもなっている「サマータイムゴースト」では、『九龍ジェネリックロマンス』のアニメ映像を用いたVJ演出が加わり、美しい映像演出とともにパフォーマンスが展開された。
「残り4曲、盛り上がっていきましょう!」という詩羽の呼びかけからは、「マーメイド」「エジソン」と続き、会場はタオルが舞い、大合唱に包まれた。ラストの「招き猫」では、観客が一斉に掲げたサプライズメッセージカードが登場。「明日明後日その先も水曜日のカンパネラ」と書かれたカードに詩羽は驚き、思わず声を詰まらせながらも、笑顔で感謝を伝え歌い切った。全19曲を駆け抜けた初のソウル公演は、感動と熱狂に満ちた内容で幕を下ろした。
この後は、台北、バンコクでの公演が予定されており、さらに水曜日のカンパネラとしては初となるヨーロッパ公演(ロンドン、パリ、ミラノ)も控えている。また、4月にファイナルを迎えたツアー『水曜日のカンパネラ プレミアライブ2025』の追加公演も決定。9月5日の静岡公演を皮切りに、全6公演が行われる。
国内外でのライブ展開が続く水曜日のカンパネラ。今後の動向にも注目が集まる。