5月21日、22日に京都で授賞式が行われた国内最大規模の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』(MAJ)。そのシンボルアーティスト「SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN 2025」に選ばれたYELLOW MAGIC ORCHESTRA(YMO)のトリビュートライブ『MUSIC AWARDS JAPAN A Tribute to YMO - SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN 2025-』が、5月20日に同地で開催され、岡村靖幸、小山田圭吾、坂本美雨、山口一郎(サカナクション)ら豪華アーティストが熱演を繰り広げた。


 今回のライブでは、トヨタ自動車が推進するカーボンニュートラル社会の実現に向けた新たな試みとして、水素燃料電池による電源供給が行われた。楽器や収録機材などの電力を、酸素と水素を燃料電池に取り込んで発電する新型システム「定置水素電源」で賄い、さらに5月22日に開催された『MUSIC AWARDS JAPAN 2025 レッドカーペット』では、移動式発電・給電システム「Moving e」による水素発電が照明などの電力供給に活用された。これらの取り組みは、音楽業界でも環境問題の解決を図りながら、持続可能なライブ環境の実現を目指す試みでもある。

 水素発電は、直流から交流への変換時に高精度な波形を生み出し、電圧や周波数の安定性を実現。繊細な音作りが求められる楽器にも理想的な電源を提供し、ミュージシャンからも高く評価する声が上がったという。

 過去にはロックバンド・LUNA SEAが水素燃料電池自動車からの電源供給でライブを開催したことが話題となったが、今回はそれを上回るスケールでの電源供給を実現。従来のディーゼル発電機と比べて静音性にも優れ、現場では「鳥のさえずりが聞こえるほど静か」との声も上がり、音楽現場特有の電源ノイズや騒音問題を解消した。

 トヨタはこの取り組みを、音楽シーンでの水素技術活用の第一歩と位置づけ、今後も音楽フェスや大型イベントでの水素発電の普及を進めていく方針だ。カーボンニュートラル社会の実現に向け、音楽業界と共に環境負荷の少ない新しいライブ体験の提供を目指している。
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