挑戦の軌跡を記す連載『生涯現役!58歳 アーティスティックスイミング小谷実可子の挑戦』の7回目となる今回は「国内最後の大会出場で優勝」について。小谷に「試合の感想と課題」「本番大会に向けての練習」などついて語ってもらった。
――6月1日に東京都ASマスターズルーティン大会2025に出場し、安部篤史さんとミックスデュエットフリールーティンを演技しました。結果はいかがでしたでしょうか?
小谷:今回は、今年1月25日に開催された『KOSUKE KITAJIMA CUP 2025』以来となる安部さんとの演技で、結果としては75.7333点で優勝することができました。
出来としては、演技中に安部さんと少し離れたり近づきすぎたりしてしまうなど、練習で積み上げてきた通りにならなかったところがありました。それに加えてコンディションが悪く…飛び込んだ時に最後まで泳ぎ切れるのかなと思うぐらいでした。
ただ、そういったコンディションの中でも最後まで演技ができたというのは、“ある意味”自信になりました。もちろん悔しい気持ちもありますが、手応えを感じることができましたね。
――本番のシンガポール大会までは、あと2ヶ月となりました。これからどのようにブラッシュアップしていきますか?
小谷: 日本では1月(ミックスデュエット・テクニカルルーティン)、3月(チーム&ソロ)、そして本番に向けて最後の試合になった今大会でミックスデュエットフリールーティンを演技しました。加えて、3月末にはオーストラリアでソロを泳ぎました。
本番大会での衣装を全て着用して演技をすることができたので、準備は順調にできているのかなと感じています。
――ウエアには、スポンサーのロゴが掲載されています。マスターズ大会ではとてもレアなケースなのではないでしょうか?
小谷:実は、昨年の世界マスターズ水泳選手権ドーハ大会でもサポートしていただきました。本当に前例がないことで、大会運営側もビックリしていましたね。
“アーティスティックスイミングの男女平等、ジェンダーレスのスポーツだということをアピールし男子選手の普及にもつなげたい”という想いがあり、それについてローソンエンターテイメントさまと日清オイリオグループさまに共感していただきました。そして、シンガポール大会でも継続して応援していただくことになりました。
マスターズスポーツを応援してくれる人がいるということが何よりもうれしいですし、こうしてロゴをつけて大会に出られることが、本当に励みになります。あと2ヶ月間、必死に練習をして、最高の演技をサポートしてくれている全ての人に届けたいです。
■小谷実可子(こたに・みかこ)
1966年8月30日生まれ、東京都出身。ソウルオリンピックでは夏季オリンピック初の女性旗手を務め、ソロ・デュエットで銅メダルを獲得。1992年に現役引退。東京2020招致アンバサダーを務めるなど国際的に活動。