住人(アルジ)は、子どもが2人いる夫妻。
そして、空き家になっていた祖母の家で二世帯暮らしを始めるも、母子の仲が良いからこそ、妻は「母の肩身が狭いのでは」と気を遣う毎日。家事を手伝ってくれる母への後ろめたさもあり、2人目の子どもも生まれて多忙な中、心労は募るばかり。そこで、そんなモヤモヤを解消すべく家を建て替えることを決め、4年前、建築家の妻が家を設計し新居を建てた。
中庭を介した玄関は、6帖もあり広々としている。ここは同居する妻の母のリビングも兼ねている。そんな玄関リビングから中庭を挟んだ場所にあるのが妻の仕事部屋で、あえて中庭を挟んだ配置にして視線が合わないように工夫。二世帯ならではの気づまりを減らして、心地よく過ごせるようにしている。
玄関の隣は、中庭から光が差し込むオープンな洗面。
2階は、天井高3.7メートルもある二世帯共用のリビングダイニング。中庭からの光を採り込む大開口の下は、大工作り付けのベンチになっている。このベンチのほか、読書好きの母が好きな場所で本を読めるよう、さまざまな場所に座れるスペースを作った。
気を遣わずに済む二世帯住宅。妻は母に対して「家事をしてもらって申し訳ないという気持ちがだいぶ減ったかなと思います」と変化を語る。一方、母は「これまでは、洗濯もまだまだできると思ってたんです。でも実際に乾燥機を使うと、体が楽なんだなあと思って。そういう面でも、前より体が元気になったような気がしますし、とっても心地良いおうちです」と初めて本音を告白し、家族への感謝を口にする。