Amazon MusicとAudibleは25日、都内でプレス発表会を開催し、Amazon Music Unlimitedの会員がAudibleのオーディオブックを毎月1冊楽しめる新サービスを発表した。これにより、HD音質で楽しめる1億曲以上の音楽や人気ポッドキャストに加え、90万点以上のオーディオブックを、すべてひとつのアプリで利用できるようになる。


 同サービスは、アメリカ、イギリス、カナダ、フランスなどに続く展開で、オーディオエンターテインメントのさらなる可能性を広げるもの。Audibleの日本サービスは2025年で10周年を迎え、今回の連携は両ブランドの節目を飾る大きな取り組みとなる。

 発表会には、両サービスにゆかりのあるゲストとして、新しい学校のリーダーズ、安田章大(SUPER EIGHT)、小説家の平野啓一郎氏の3組が登壇。Amazon MusicおよびAudibleとの関わりや、それぞれの制作体験について語った。

 Amazon Musicで独占配信中の楽曲「BABY」について、新しい学校のリーダーズは「Amazon Music Studio Tokyoでのレコーディングがとても印象的で、またあそこで録ってみたいと思うくらい楽しかったです」と振り返り、「私たちの楽曲が世界のリスナーに届くきっかけになっていることがうれしい」とコメント。音声コンテンツを通じた新たな表現の可能性にも期待を寄せた。

 Audibleで小説『夜行観覧車』(湊かなえ氏)の朗読を担当した安田は、「耳から入る情報は、匂いや音まで想像させてくれる。情景が浮かぶだけでなく、感情に直接届くのが魅力」と、ナレーション体験の手応えを語った。また、「朗読を通して人と人の心がつながる。それがこのコンテンツの力だと思う」と述べ、音声表現の奥深さに触れた。

 Audibleファースト小説『息吹』を執筆している平野氏は、「聴くための物語を書くというのは、小説とはまた違った創作の楽しさがある」と語り、「オーディオブックならではのリズムや時間感覚があるし、通勤や料理中にも“聴ける読書”として届くのがいい」と、音声による物語の可能性を強調した。同氏は学びに特化したコンテンツ『A UNIVERSITY』をAudibleにて配信することも発表した。


 Amazon Music統括責任者のライアン・レディントン氏は「日本におけるオーディオエンターテインメントの新時代を切り開く一歩」と位置づけ、「ひとつのサブスクリプションで、かつてない価値と利便性を届けたい」とコメント。Audible CEOのボブ・キャリガン氏も「日本のユーザーにプレミアムなオーディオ体験を提供する、画期的なコラボレーション」と語った。

 さらに、Audible ジャパン カントリーマネージャーの逢阪志麻氏は、国内でのユーザーの拡大を紹介するとともに、オリジナルコンテンツの展開にも触れ、ディズニー作品『カーズ』『アナと雪の女王』『スター・ウォーズ パダワンのプライド』といった人気タイトルのAudible版もリリース予定であることを明かした。

 Amazon Music Unlimitedの月額料金は、通常会員が1080円、プライム会員は980円。耳で味わうエンタメの可能性は、今後ますます広がっていきそうだ。
編集部おすすめ