特徴的なサングラス、ななめ上を見上げながら、口は少し開いて何ともいえない表情を浮かべている。23日にシングル「Fake」を配信リリースし、衝撃のメジャーデビューを果たした、星野源の盟友・ニセ明の“アーティスト写真”だ。一人称は「ニセ」で、星野が担当しているレギュラーラジオ『オールナイトニッポン』(ニッポン放送/毎週火曜 深1:00)を代わりに務めたこともある“大物”だが、一体何者なのか。野暮を承知で、過去の記事からひもといてみたい。

 意外な個人情報が公開されたのは、2024年10月放送の『ニセ明のオールナイトニッポン』。ニセは、時折“地声”をのぞかせつつ「もともとニッポン放送に勤めていたから。アナウンス部にいて。同期の上柳昌彦くんとしのぎを削って。当時は“昌彦”って呼んでいた。ある意味、返り咲き的な。上柳くんと同い年と思っていただけたらうれしい」とヒントを匂わせた。

 ニセの“人生相談”にはファンも多く、星野の妻で俳優の新垣結衣も「ニセさんのコーナーは、人生相談にいつも乗ってくれて、一生懸命答えてくれて、私も聞いていて『なるほど』と思うから、いいコーナーだな」と、ファンであることを公言。新垣のコメントは、ニセ本人にも届いており「星野くんの妻さんが聞いていると言っていたね(笑)。ちょっとね、調子が狂うよね」と反応していた。

 ニセの実態をつかむために必要となるのは、やはり“盟友”星野の言葉だろう。2023年、星野にインタビューした際、ニセについて次のようにコメントしていた。「あの人、くだらないですよね……。最初は一回出てもらって終わるはずだったんですが、妙に人気があって。なんだかんだもう10年くらい活躍してますね(笑)。まあでも、そういうのが一番好きですね。自分はくだらないものと、めちゃくちゃ真面目でソリッドなアートは共存できると思っていて。音楽でハッとさせられる瞬間と、ニセさんに呆れるみたいな瞬間が隣り合わせだと面白いじゃないですか」。

 4月1日には、エイプリルフールのジョークとして「ニセ明、メジャーデビュー決定!」というティザー映像とポスター動画が、星野のオフィシャルSNSアカウント等で公開され大反響を巻き起こしたが、「本当にリリースしてほしい」という多くの声を受け、今回の正式なリリースで“Fake”が“Real”になった。6月23日は星野が15年前に1stアルバム『ばかのうた』をリリースし、ソロデビューした記念日。『ばかのうた』の1曲目は「ばらばら」だが、同曲の中には「本物はあなた わたしは偽物」という歌詞がある。15年の時を経て“1000年に一人のエンターティナー”ニセ明のメジャーデビューとして放たれた「Fake」。「わかんねえが わかる」まで、しっかり味わい尽くしたい。

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