奥田民生と吉川晃司によるユニット・Ooochie Koochieの1stアルバム『Ooochie Koochie』が25日に発売される。CDには全10曲を収録し、各種音楽配信サイトでも配信がスタートする。


 同アルバムには、デビュー曲「GOLD」をはじめ、広島東洋カープ公認応援歌「OK」、広島弁によるロックナンバー「ショーラー」、そしてJリーグ・サンフレッチェ広島への想いを込めた新曲「Three Arrows」などを収録。「Three Arrows」は団結の象徴である“三本の矢”をタイトルに冠し、スタジアムでの合唱を想定して制作された楽曲で、スケール感のあるロックオペラ的な展開が特徴となっている。

 アルバムは初回プレス分に「OKロゴステッカー」と、12月31日の広島グリンアリーナでの追加公演チケット先行抽選シリアルコードを封入。全国8公演を巡るツアー『Ooochie Koochie TOUR 2025』は、7月12日の広島グリーンアリーナを皮切りにスタートする。

 発売を目前に全10曲の楽曲レビューも公開された。レビューは以下の通り。

■「Ooochie Koochie」全曲レビュー
01.おちこち 作詞・作曲:Ooochie Koochie
ブリティッシュハードロック全開のOoochie Koochieのテーマ曲。ユニット名の由来となる“おちこち”の意味は“あちらこちら”“昔と今”など。パワフルかつワイルドなシャウトには新たなユニット誕生の瞬間のパッション(情熱)とアンビション(大志)がぎっちり詰まっている。「俺たちは今 裸に帰るんだ」というフレーズは今年還暦の2人のロックンロール宣言のように響く。

02. ショーラー 作詞・作曲:Ooochie Koochie
全編広島弁の画期的なヘヴィロック。2人の骨のある歌いっぷりがクセになる。
ショーラーは「している」という意味。ロックの初期衝動と思春期の鬱屈を絶妙に融合。「あんなーとちゅーとかしたいんなら」といった歌詞は、10代と還暦、“昔と今”を自由に往き来できる彼らだからこそだ。ソリッドなギターが気持ちいい。右から響くレスポールは奥田、左から響くフライングVは吉川。

03. GOLD 作詞:奥田民生 作曲:吉川晃司
1970年代のディスコミュージックを現代に蘇らせた、遊び心満載の曲。「もしも吉川が上京せず、広島で学生生活を送っていたら」という架空の設定で奥田が歌詞を書いている。ゴールドは黄金山、赤いゲートは厳島神社の鳥居からの着想。「にくまれそうな」「BABY」吉川の代表曲の曲名からの引用は、奥田から吉川へのオマージュだろう。

04. マンデー 作詞:奥田民生 作曲:吉川晃司
『帰れマンデー見っけ隊!!』のテーマソングとして書き下ろした曲。番組に出演しているお笑い芸人・タカアンドトシとサンドウィッチマンにちなんだキーワードが歌詞に散りばめられている。広がりのあるポップなサウンドに乗せて、2人の旅情あふれる歌声が染みてくる。
タイトルは「マンデー」だが、日曜の夜の切なさが滲む。

05. Do The Shuffle 作詞:奥田民生 作曲:吉川晃司
ソリッドなギターリフを軸としたハードロック。テーマは水と油のように真逆な2人、つまり奥田と吉川だ。2つの強烈な個性をシャッフルすることでミラクルな音楽の化学変化が起こる。奥田と吉川にChloe Kibbleとmimikoという女性陣が加わったコーラスも見事。「何かが起きそう」というフレーズがOoochie Koochieの今後を予告している。

06. 片恋ハニー 作詞:吉川晃司 作曲:奥田民生
爽快感の漂うロマンティックなダンスチューン。1980年代のシティポップのテイストもある。Ooochie Koochieと同年代の主人公の“片恋”が描かれている。“還暦の男がこんな恋をしたらおもしろい”という発想から生まれた曲。作詞は吉川、作曲は奥田。「風は君のために吹いている」と歌う吉川の歌声がみずみずしく響く。


07. GIBSON MAN 作詞:吉川晃司 作曲:奥田民生
奥田と吉川がギターキッズに還ってギブソンを弾きまくるストーンズタイプのロックンロール。歌詞に「ニール」「アンガス」「ペイジ」「ロンソン」と、それぞれのギターヒーローの名前が登場する。楽しそうに歌い、ギターを弾く2人から漂う“無敵感”に胸が熱くなる。観客が拳を突き上げるライブの光景が見えてきそうだ。

08. リトルボーイズ 作詞:吉川晃司 作曲:奥田民生
吉川が自分の体験も交えて“あの日の雲”をモチーフに歌詞を書き、奥田が胸を揺さぶるエモーショナルな旋律を紡いでいる名曲。歌詞に登場する「エノラ・ゲイの悲劇」は、イギリスのシンセポップデュオ、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの1980年のヒット曲の曲名。サビのフレーズの「Up & Beyond」は雲の上から見る視点と雲の下から見る視点を表現している。誰かを批判する歌ではない。未来への希望を見いだそうとする祈りの歌だ。

09. Three Arrows 作詞・作曲:Ooochie Koochie
スタジアムで観客が合唱するイメージで制作された楽曲。バクパイプの音色に導かれて始まり、聖歌からロックまで、起伏に富んだロックオペラ的な展開がスリリングだ。タイトルもサンフレッチェ広島の団結のシンボルマークでもある「三本の矢」にちなんで付けられた。
Ooochie Koochieも“広島への恩返し”という趣旨のもと、固く、そして時には緩やかに団結している。

10. OK 作詞・作曲:Ooochie Koochie
広島東洋カープ公認応援歌にして、「おちこち」と並ぶOoochie Koochieのテーマ的な曲。カープが勝利すると観客が合唱するのが恒例。パワーステーション風のファンキーなリズムと教会音楽の旋律の両立が独特のダイナミズムを生んでいる。冒頭の「えーよ」は広島弁で、「いいよ」という意味、つまり「OK」である。

※奥田民生ギター(R右:01,02,03,04,05,10/L左:01,06,07,08,09)
※吉川晃司ギター(R右:06,07,08,09,05/L左:02,03,04,05,10/Cセンター:01)
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