お笑いトリオ・ネプチューンの原田泰造が主演を務めたドラマの続編を描く『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(7月4日公開)から、初解禁となる映画本編映像に加え、ドラマ版の内容を振り返る特別映像が公開された。

 「おっパン」の愛称で親しまれる、練馬ジムによる同名LINEマンガを原作にした本作は、世間の古い常識や偏見で凝り固まった“昭和のおっさん”が、LGBTQ+、推し活、二次元LOVE、メンズブラなど、現代の新しい「常識」に出会い、少しずつアップデートしていく姿を描く。映画では、新たな「アップデート」に挑むオリジナルストーリーが展開される。

 特別映像の冒頭では、部下へのパワハラ発言を繰り返したり、息子・翔(城桧吏)がネイルをしていることを「気持ち悪い」と頭ごなしに否定したり、会社でも家庭でも嫌われていた“アップデート前”の誠(原田)の姿を振り返る。

 ある日、階段から足を踏み外し転びそうになったところを大地(中島颯太)に助けられるが、大地がゲイだと知ると心無い言葉を浴びせてしまう。そんな誠が、大地との出会いをきっかけに「おっさんのパンツがなんだっていい」の言葉のように、心の性別や“好き”の多様性を自分なりに理解し、受け入れようとする。銭湯での一幕など、印象深いドラマ版のシーンが多数盛り込まれている。

 ドラマ版で順調にアップデートを重ねてきた誠だが、映画では、アップデート前の自分が犯した過ちに真正面から向き合うことになる。一方で、普段は明るく誠たちを導く存在だった大地も、パートナーの円(東啓介)と遠距離結婚となり、“普通”との違いを痛感し、寂しさや疎外感に包まれる姿が描かれる。

 また、「自分の息子が望む生き方を尊重したい」と、大地がゲイであることを一度も否定しなかった母・美穂子(松下由樹)は、映画でもそんな大地を案じつつ、変わらず大きな愛情で包み込む。

 沖田家の面々もまた、「好き」に全力を尽くすがゆえに、乗り越えなければならないハードルに直面する。妻・美香(富田靖子)は、推しのボーイズグループのコンサートに行くため、パートから正社員になったものの、現代の働き方とのギャップに悩み、頑張って生きてきた自分らしさを見失いかけてしまう。

 息子・翔は、「男らしさ」に違和感を覚えて退部した野球部の仲間を助けようと奮闘する中で、性別を理由に野球をあきらめていた少女と出会い、自身の経験を踏まえて向き合おうとする。

 娘・萌(大原梓)は、これまでのBLの二次創作ではなく初めてのオリジナル作品を制作し、同人誌即売会「コミック・カーニバル」への出品を決意。思うように描けず苦しむ中、「好きだからこそ中途半端には投げ出せない」という葛藤を抱える。そんな萌に、伝説の編集者・鎌田(トータス松本)の言葉が刺さり、涙する場面も。

 それぞれが自分の「好き」と向き合い、乗り越えようと奮闘する姿を通じて、観る人に勇気と共感を与える。期待が高まる映像に仕上がっている。

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