この日は、昨年9月26日に70歳を迎えたクミコの1年を締めくくるアニバーサリーコンサートで、ミュージカルを中心に活動中の俳優で歌手・井上芳雄がスペシャルゲストとして出演。
約1400枚のチケットは完売となったなか、2部構成の第1部はシャンソンの名曲「群衆」で幕を開け、「こんな素晴らしいホールで、しかも井上芳雄さんをゲストにお迎えして、これ以上の幸せはないので、まぁ、古希記念でもいいかなと…(笑)。60代も70代も何ら変わりはありませんが、これからの10年は大変かなと思っていますので、もし万が一、私が10年後も歌っていましたらまた井上芳雄さんにも来ていただいてここで歌いたい」とあいさつ。
「接吻」「Woman"Wの悲劇"より」「無口なお月さま」などを披露し、ゲストの井上は「70歳、古希おめでとうございます。クミコさんは僕の母と同じ年齢で、歌を歌ううえでの母だと思っています」と古希を祝い、ミュージカルナンバー「この星空」(二都物語)、西城秀樹のカバー曲「ブルースカイブルー」などを歌唱した。
第2部は、冒頭に湯川れい子合唱団をバックに「うまれてきてくれて ありがとう」を、作詞した湯川れい子氏の前で披露。そして、現在もロングヒット中のスコットランド民謡「広い河の岸辺~The Water Is Wide~」をはじめ、「百万本のバラ」「人生は美しい」「ヨイトマケの唄」などを熱唱した。
アンコールでは、2010年にNHK紅白歌合戦で歌って大反響を呼んだ代表曲で、戦後80年の今年、世界の平和を願って15年ぶりに新録音した「INORI~祈り~」、ゲストの井上と「車輪」をデュエットし、フィナーレはシャンソンの名曲「愛の讃歌」を歌って、全20曲のプログラムで最後までファンを楽しませた。
最新アルバム『シャンソンティックな歌たち』は、シャンソンの名曲「人生は美しい」をはじめ、15年ぶりの再録音「INORI~祈り~」、松本隆作詞の「Woman"Wの悲劇"より」(オリジナル歌手・薬師丸ひろ子)のカバー、阿川佐和子が作詞し、クミコとデュエットした「無口なお月さま」など、様々な出逢いによって生まれた全13曲が収録する。
「私の歌い手人生は、多くの“出逢い”によって支えられてきました。みなさまとの出逢いが、いまの私の歌い手人生を作ってくれています」と、数々のよき出逢いに感謝するクミコは、これからも人との出逢いを大切に歌っていきたいとしている。
今後は『クミココンサート2025「人生は美しい、シャンソンティックな歌たち~」』と題したコンサートを10月12日に兵庫・神戸朝日ホール、11月1日に愛知・Niterra 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、同26日に北海道・札幌カナモトホールで開催する。