俳優の長澤まさみが時代劇映画で初主演を務める『おーい、応為』(10月17日公開)に、寺島しのぶ、大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太が出演していることが明らかになった。

 本作で長澤が演じるのは、江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子であり娘でもある絵師、葛飾応為(かつしか・おうい)。
父・北斎も「美人画では敵わない」と認めた絵の才を持つ、知られざる天才絵師・応為の生きざまに光を当てる。

 脚本・監督は『日日是好日』『星の子』の大森立嗣。長澤と大森監督のタッグは、長澤が「第44回日本アカデミー賞」最優秀主演女優賞を受賞し高い評価を得た『MOTHER マザー』(2020年)以来となる。

 寺島が演じるのは、応為の母で葛飾北斎(永瀬正敏)の妻、こと。病を抱える娘・お猶(おなお)と町外れで慎ましく暮らしながら、時折訪れる応為の心情を受け止める。どこか飄々としながらも、娘を鋭く見抜く揺るぎない優しさを持つ人物だ。

 寺島が主演した2003年公開の映画『赤目四十八瀧心中未遂』では助監督を務めていた大森監督との約20年ぶりの再タッグ。長澤とはNetflix映画『パレード』(2024年)以来2度目の共演となる。

 大谷は、北斎の門弟で売れっ子の絵師・初五郎(魚屋北渓:ととや・ほっけい)を演じる。誠実で穏やかな佇まいを持ちつつもどこかつかみどころのない初五郎は、応為にとって自然と心をひかれる存在だ。

 篠井は、三味線を弾き端唄(はうた)を歌う近所の住人・元吉を演じる。舞台で女形として活躍してきた本領を発揮し、柔らかな所作や繊細な言葉遣いで応為の心の揺らぎを受け止めるキャラクターを表現。
町の中でもひときわ異彩を放つ。

 奥野は、陸奥津軽家藩主・津軽越中守の使いとして、北斎に屏風画を依頼しに何度も足を運ぶ津軽の侍を演じる。ひたむきに任務に向き合う熱血漢を真っ直ぐに演じた。

■こと役:寺島しのぶのコメント

 京都での3日間の撮影。あっという間に終わってしまいました。大森監督の迷いのない演出、長澤まさみさんとの2回目の共演、又うまくいってない夫婦を永瀬正敏さんと演じ、若松組でご一緒したスタッフの方々との撮影はとても楽しかったです。

■初五郎役:大谷亮平のコメント

 撮影からある程度期間が経ったとはいえ初五郎という役を何を考えどう演じたかさえ忘れてしまう程に現場ではその瞬間に身を委ねていたように思います。目の前の風景をボーっと眺め、聞こえてくる自然豊かな音を味わいながら そんな感じでゆったりと、潤沢な時間でした。大森監督とは役をどう演じるかという事や、そのほかにもいろいろお話させていただきましたが、とても興味深い内容のものが多く、今回監督の世界観に少しでも入れていただいたことはとても意義のある体験でした

■元吉役:篠井英介のコメント

 公開おめでとうございます!待ってました!私は長屋の端唄、小唄のお師匠さん。日本の古典が大好きなのでこのお役うれしい限りです。日本舞踊はお名取りな私ですがお三味線は先生が匙を投げるほどダメなので苦労しました(笑)。長澤まさみさんが素敵過ぎて緊張しました。
私のお役がちょっとした映画のアクセントになっていたら本当に幸せです!

■津軽の侍役:奥野瑛太のコメント

 殿の命により葛飾北斎に屏風絵を依頼する津軽の侍を演じました。大森組で時代劇!これだけでも楽しみで仕方なかったんですが、時代劇特有の言葉遣いに加え結構な津軽訛り。永瀬さん演じる北斎と長澤さん演じる応為のただならぬ迫力に自ずとどもってしまって、今しゃべっているこれが果たして正しい津軽弁なのかわからなくなってしまいました。それくらい真に迫ったお二人の情熱と絵描きとしての姿にただただ圧倒されました。お栄と父、応為と北斎。どこをどう切り取っても確かに存在する生活と生き様にずっと興奮しておりました。
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