映画『宝島』の主演・宣伝アンバサダーとして全国キャラバンを続ける妻夫木聡。7月19日は、大友啓史監督とともに9ヶ所目の宮城・仙台、そして10ヶ所目にして大友監督の故郷である岩手・盛岡を訪問。
本作の舞台は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄。物資の乏しい時代に、米軍基地から奪った物資を住民に分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。ある襲撃の夜、リーダー格だったオン(永山瑛太)は「予定外の戦果」を手に入れ、忽然と姿を消す。残された幼なじみのグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)は、それぞれ刑事、教師、ヤクザの道を歩みながら、オンの行方を追い続ける。
仙台では、小学5年生の男の子から「僕たち子どもに映画を通して、どんなことを伝えたいですか?」との質問が寄せられ、妻夫木は次のように答えた。
「“いまこうして生きていられることは、決して当たり前ではない”ということを、何より伝えたいと思っています。当たり前のように感じている日常が、実は多くの先人たちの想いや努力のうえに成り立っていることを感じてもらえたらうれしいです。そして、たくさんの愛情を受け取って育っている君たちが、その愛を将来、自分の子どもたちへどう受け継いでいくか――そんなことにも思いを馳せてもらえたらと思います」
盛岡では、「6歳の娘がいるのですが、今すぐ帰って抱きしめたくなった」という女性の感想に、思わず2人とも涙。妻夫木は「沖縄には“命どぅ宝(ぬちどぅたから)”という言葉があります。『命こそ宝』という意味ですが、その想いが皆さんの心にも届いたんだなと感じて、こらえきれなかったです」と涙の理由を明かした。
ほかの観客からも、さまざまな感想が寄せられた。
今年は終戦から80年の節目の年でもあるが、観客からの「終戦とは、単に戦争が終わることではなく、真の自由と平和を取り戻すことだと思った」といった感想に、妻夫木は「この映画を受け取った方々にいろんな感じ方をしてもらえるんだなっていうのを本当に感じました」と強く胸を打たれたという。
妻夫木は「東北の方々は、心にふつふつとした熱いものを秘めている方が多いと感じました」と話し、こう続けた。「仙台の劇場は大きく、最初はシャイな印象もありましたが、自分の言葉で感想をぶつけてくださる方が多く、すごく心を動かされました。盛岡は会場が小さかったこともあり、お客さんとの距離が物理的にも心理的にも近く感じられました。監督の地元というのもあったかもしれません」と振り返った。
そもそも全国キャラバンの原点は、妻夫木の初主演作『ウォーターボーイズ』(2001年公開)にまで遡る。富山県の映画館「ファボーレ東宝」(現・TOHOシネマズ ファボーレ富山)が独自に「この作品を応援したい!」と展開した手書きの感想掲示が、大ヒットのきっかけとなった。最終的には動員数で全国2位を記録するという成果を挙げた。
今回のキャラバンでは、観客が感想を書き込める用紙を設置し、劇場内に掲示してもらえるよう劇場側に働きかけているという。
「やっぱり、“その人自身の言葉”には、すごく力があると改めて感じています。
映画の力、そして“人の声”の力を信じて――。『宝島』のメッセージをさらに多くの人へ届けるため、次週(7月26日)は広島を訪れる予定だ。
映画本編上映後の舞台あいさつで、観客とのQ&Aを行った。
本作の舞台は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄。物資の乏しい時代に、米軍基地から奪った物資を住民に分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。ある襲撃の夜、リーダー格だったオン(永山瑛太)は「予定外の戦果」を手に入れ、忽然と姿を消す。残された幼なじみのグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)は、それぞれ刑事、教師、ヤクザの道を歩みながら、オンの行方を追い続ける。
仙台では、小学5年生の男の子から「僕たち子どもに映画を通して、どんなことを伝えたいですか?」との質問が寄せられ、妻夫木は次のように答えた。
「“いまこうして生きていられることは、決して当たり前ではない”ということを、何より伝えたいと思っています。当たり前のように感じている日常が、実は多くの先人たちの想いや努力のうえに成り立っていることを感じてもらえたらうれしいです。そして、たくさんの愛情を受け取って育っている君たちが、その愛を将来、自分の子どもたちへどう受け継いでいくか――そんなことにも思いを馳せてもらえたらと思います」
盛岡では、「6歳の娘がいるのですが、今すぐ帰って抱きしめたくなった」という女性の感想に、思わず2人とも涙。妻夫木は「沖縄には“命どぅ宝(ぬちどぅたから)”という言葉があります。『命こそ宝』という意味ですが、その想いが皆さんの心にも届いたんだなと感じて、こらえきれなかったです」と涙の理由を明かした。
ほかの観客からも、さまざまな感想が寄せられた。
「沖縄のことを知っているつもりだったが、実は何も知らなかったことに気づかされました」「戦後の沖縄について学ぶ機会が少ないと感じた」「美しい海の映像とは対照的に、目を背けていた沖縄の現実が描かれていた」「日本にもアメリカにも味方がいない環境で、必死に生き抜こうとする姿に心を打たれた」「沖縄の問題を自分ごととして考えたい」など。沖縄から地理的に離れた仙台・盛岡でも、観客の心に深く響くものがあったようだ。
今年は終戦から80年の節目の年でもあるが、観客からの「終戦とは、単に戦争が終わることではなく、真の自由と平和を取り戻すことだと思った」といった感想に、妻夫木は「この映画を受け取った方々にいろんな感じ方をしてもらえるんだなっていうのを本当に感じました」と強く胸を打たれたという。
妻夫木は「東北の方々は、心にふつふつとした熱いものを秘めている方が多いと感じました」と話し、こう続けた。「仙台の劇場は大きく、最初はシャイな印象もありましたが、自分の言葉で感想をぶつけてくださる方が多く、すごく心を動かされました。盛岡は会場が小さかったこともあり、お客さんとの距離が物理的にも心理的にも近く感じられました。監督の地元というのもあったかもしれません」と振り返った。
そもそも全国キャラバンの原点は、妻夫木の初主演作『ウォーターボーイズ』(2001年公開)にまで遡る。富山県の映画館「ファボーレ東宝」(現・TOHOシネマズ ファボーレ富山)が独自に「この作品を応援したい!」と展開した手書きの感想掲示が、大ヒットのきっかけとなった。最終的には動員数で全国2位を記録するという成果を挙げた。
今回のキャラバンでは、観客が感想を書き込める用紙を設置し、劇場内に掲示してもらえるよう劇場側に働きかけているという。
「やっぱり、“その人自身の言葉”には、すごく力があると改めて感じています。
手書きの文字には、その人の想いが宿っている気がするんです。地味な活動かもしれませんが、だからこそ意味がある。誰かがその言葉にふと目を留めて、心がほんの少しでも動いてくれたら、それだけで十分価値があると思っています」
映画の力、そして“人の声”の力を信じて――。『宝島』のメッセージをさらに多くの人へ届けるため、次週(7月26日)は広島を訪れる予定だ。
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