不朽の名作「ジュラシック」シリーズの最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日公開)より、恐竜たちが縦横無尽に暴れ回る大迫力の特別映像が解禁された。

 映像には、Tレックスやケツァルコアトルスといった獰猛(どうもう)な恐竜たちによる緊迫のシーンと、その舞台裏が映し出されている。監督を務めたギャレス・エドワーズは「人間の遺伝子に刻み込まれているのは、襲いかかる巨大生物への恐怖です」と語り、“恐竜の脅威”をリアルに描くことこそがシリーズの核だと強調する。主演のスカーレット・ヨハンソンも「絶え間ない危機が興奮をかき立てます」と語り、想像を超えるスケールとスリルを約束する。

 その迫力ある映像の裏には、世界中の“才能”の結集があった。視覚効果監督デヴィッド・ヴィッカリーによれば、ギャレス監督から「6週間で恐竜の全デザインを仕上げたい。世界中から最高のアーティストをそろえてほしい」と依頼があったという。翌日には50人以上のコンセプトアーティストが世界中から集まり、1週間で約700点の恐竜デザイン案が完成した。監督はそのすべてに目を通し、作品に最適な恐竜を選定していった。

 今回の恐竜デザインは、従来のシリーズから大きく進化。ヴィッカリーは「とことん型破りなコンセプトを依頼しました。120%を狙った上で、そのアイディアを磨き上げてユニークで心に残るデザインに仕上げていったんです。バカバカしいほどとんでもないものを、見事で美しいものへと落とし込んでいく方が、平凡なものを少しずつ整えていくよりはるかに簡単ですから」と語る。その結果誕生した恐竜たちは、まさに“誰も見たことのない新しさ”を体現している。

 撮影現場では、恐竜のリアルな存在感を再現するため、アーティストやパフォーマーで構成されたチームが、頭部や手足などのパーツを制作し、俳優の視線誘導や照明のガイドとして活用。さらに、モーションキャプチャーで恐竜の動きの一部を人間の演技で補完。『ジュラシック・ワールド/炎の王国』でヴェロキラプトル“ブルー”を演じたトム・ウィルトンは「自分で恐竜の鳴き声を出しながら、俳優たちを脅かしたり、恐竜のいる位置を伝えたりしています」とその工夫を語った。

 仕上げはポストプロダクションでの映像統合。エドワーズ監督の狙いは、実物とCGの切り替えに違和感を一切感じさせない“矛盾のない世界”。そのビジョンのもと、視覚効果チームはすべての恐竜たちを完全フルデジタルで構築。本作の約75%を担った映像は、細部に至るまでリアリティと一貫性、躍動感が追求されている。中には制作に1年近くかかったデジタル恐竜もあるという。

 スカーレット・ヨハンソンは「完全に構想が頭にある監督は説明が得意」とエドワーズ監督を称賛。古生物学者役のジョナサン・ベイリーも「特殊効果について監督が詳しいため、恐竜のデザインに不安はありませんでした」と語り、スタッフ全員が信頼を寄せた。

こうして誕生した恐竜たちは、リアリティを超えた本能への訴求力を持ち、観る者を圧倒する。シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、かつてないスケールと没入感で、映画史に新たな爪痕を刻むだろう。

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