野外上映イベント『PARK CINEMA FESTIVAL in お台場海浜公園』が11日、東京・お台場海浜公園で開催され、今年35周年を迎える国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系 毎週日曜 後6:00)傑作選が特別上映された。上映前のトークショーには、スペシャルゲストとしてEXIT(兼近大樹、りんたろー。
)、『ちびまる子ちゃん』の監督を担当している高木淳氏、教育アドバイザーの清水章弘氏が登壇。清水氏が本作の教育的な可能性について語った。

 直前まで降っていた雨が上がり、海風が心地よいお台場海浜公園で、2回目の野外上映が開催された。高木監督は「開放感のある環境で、よりリラックスして『ちびまる子ちゃん』を楽しんでもらえると思う。小さなお子さんから大人まで幅広い世代に観てもらえる作品なので、赤ちゃんの来場もとてもうれしい」と語った。清水氏は「こんな開放的な場所に集まり、同じ時間を共有できること自体が素晴らしい。こういう体験こそ価値がある」とコメント。もうすぐ2歳になる子どもを持つりんたろー。は「子どもが途中で泣いてしまうこともあり、映画館に行くことは諦めていた。託児サービスもあるけれど、預けてまで観に行くのは少し気が引ける。だからこそ、こういう開放的な空間で、子どもたちと一緒に楽しめる作品を観られるのは本当にうれしい」と、このイベントならではの魅力を話した。

 清水氏は、「『ちびまる子ちゃん』は、教育的な可能性がたくさん詰まっているので、ぜひ家族みんなで観てほしい」と教育アドバイザーらしい私見を述べた。
「登場人物は全員が自然体で等身大。完璧な人物はいないからこそ、失敗してもクスッと笑い合える温かな世界が広がっている。日本人は自己肯定感が低いと言われていますが、『完璧じゃなくてもいいんだ』と思えるきっかけになる」と話した。また、ナレーションによる「まるちゃん、本当はこうしなきゃいいのに…」といった登場人物の“心の吐露”も特徴とし、これが子どもの読解力や他者理解を育むという。近年、SNSの普及などで本を読む機会が減り、想像力が不足しがちな子どもが増えている中、『ちびまる子ちゃん』は国語的な学びにもつながるとのこと。さらに友蔵の“心の俳句”も、俳句が必修科目となっているなか、創作のヒントや感性を磨くきっかけになると語った。

 また、教育的観点から見た「PARK CINEMA FESTIVAL」については、清水氏は教育心理学の視点から「モチベーションの根源は“感動”にある」と説明。野外という開放的な空間は観る人を自然にリラックスさせ、作品世界への没入感を高める。この没入体験が意欲や学びのきっかけになり、感動を伴う体験として共有することで記憶は強化され、長く心に残るという。「家族や仲間と同じ時間を過ごすことで、この体験は“エピソード記憶”として一生忘れられない思い出になる。この雰囲気の中で観る作品は、心の奥まで届き、記憶を確かなものにします」と強調した。

 MCはフジテレビの西山喜久恵アナウンサーが務めた。
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