俳優・伊藤沙莉が主演を務める映画『風のマジム』(9月5日より沖縄県先行公開、9月12日より全国公開)から、本編映像の一部が公開された。

 本作は「南大東島の風に吹かれて育つサトウキビで特別なラム酒を作りたい」と思い立ち、社内ベンチャーコンクールを活用して事業を立ち上げ、契約社員から社長へと歩んだ金城祐子氏の実話を基にした、原田マハの同名小説(講談社文庫)が原作。

 公開された映像は、一面にサトウキビ畑が広がるシーンから始まる。主人公・まじむ(伊藤)は有休を利用して南大東島を訪れるが、その広大さに圧倒され途方に暮れる。そこへ一台の軽トラックが停まり、島の男性・東江大順(肥後克広)が降り立つ。

 「お嬢さん、大丈夫ね?」と心配そうに声をかけられたまじむは、「道に迷ってしまって」と答える。「町の中心まで行きたいんですけど、歩いたらどれくらいかかりますか?」と尋ねると、東江は「あきさみよー(沖縄の言葉で「驚いた」)!歩いていくわけ?そりゃ、でーじ(「とても」)大変どー、1時間はかかるわけよ!」と驚きを交えて返す。

 さらに困惑するまじむだったが、同時に空腹も抱えていた。そんな様子を見た東江が「それじゃあ乗りなさい」と軽トラックに乗せてくれる。サトウキビ畑の広がる美しい風景と、沖縄の言葉ににじむ温かさが印象的であり、本作が描く人情あふれる世界観を伝えるシーンとなっている。

 この後の展開で、東江が島の商工会会長であることが明らかになる。まじむは、南大東島に蒸留所を建て、島のサトウキビから純沖縄産ラム酒を造るという事業を構想する。しかし、新たな地方創生プロジェクトは村長や島民から歓迎されず、まじむは苦境に立たされることになる。それでも東江は「あきらめないでほしい」と励まし、まじむの挑戦を支える重要な存在となっていく。

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