ステージには竈門炭治郎の鎹鴉を演じる山崎たくみ、我妻善逸担当の雀を演じる石見舞菜香、不死川玄弥担当の鎹鴉を演じる中尾隆聖、時透無一郎担当の鎹鴉を演じる釘宮理恵、甘露寺蜜璃担当の鎹鴉を演じる堀江由衣、不死川実弥担当の鎹鴉を演じる堀内賢雄、そしてお館様こと、産屋敷耀哉の使いの鎹鴉を演じる速水奨が一人ずつ登場。それぞれが演じる鎹鴉の個性豊かな“鳴き声”や印象的な台詞を披露した。
そして話題は隊士たちの重要な相棒である「鎹鴉」という役柄についてへ移行。初期シリーズから参加している山崎と石見に、演じる際の心構えや収録で記憶に残っていることを尋ねると、山崎は「一番最初の収録の時、最初はみんなで収録していたのですが、テストの後に“たくみさんだけ別撮りです”と言われて、その後はずーっと一人でカァカァ言ってました」とユーモアを交えて収録を振り返った。
石見は「善逸の雀は“チュン”しか言わないので、かなり印象的なキャラ作りをしました。最初はSEのような感情の分からない雀という感じで演じたのですが、チュン太郎が凄く表情豊かに善逸につっこんだりするので、だんだんと今のような喜怒哀楽のはっきりした可愛らしい雀を、スタッフの皆さんと作りあげていきました」と回顧。
中尾はオファーを受けた時の気持ちを問われると、「スタジオにいた時間が一番短い現場でした」と、驚きのエピソードを明かすと、続けて堀内は「僕も、セリフとしては一言だったんですが、(こういった役柄の中では)今までで一番時間がかかりました!何度もテイクを重ねたので、出来上がって反響を聞いて、“これは鴉を制したんじゃないか?!”と思いました」と話し、会場の笑いを誘った。
無一郎と蜜璃担当の鎹鴉は「刀鍛冶の里編」からの登場となったが、釘宮は「セリフから無一郎を好きな雰囲気を感じたので、そのイメージで準備していったのですが、現場で(無一郎を)もっともっと好きになってください!と言われて、もっと好きだし、もっと無一郎以外は好きじゃないと言った感じで、激しいキャラクターなのだなと、汗だくになりながら頑張りました!」、堀江は「鴉役が人生で初だったので、まずは山崎さんの鴉を参考にさせてもらって、さらに、メスの鴉だとどんな感じなのだろうと、今度は(釘宮)理恵ちゃんを参考にしました。しっかりと日本語をしゃべるんだという事と、蜜璃ちゃんの鴉ということで、おっとりした雰囲気を出すことを意識しました」とそれぞれにエピソードを披露した。
そして、「柱稽古編」でその落ち着いた佇まいが話題となったお館様の使いの鎹鴉について、速水は「鴉の役をやるという事で、鴉の練習をすごくやりました。でも、スタジオに行ったらカァのカの字もなくて。全く鴉味のない収録でした」と、こちらも驚きのエピソードを明かし会場の笑いを誘った。
トークはさらに、本編『無限城編 第一章』の感想へと広がった。石見は「善逸の成長具合が感じられて、劇場で観られたことが本当に嬉しい」と感慨深げに語り、中尾も「あっという間の2時間半で、劇場で観てほしい作品。一人一人のキャラクターも良く出ていて、それぞれの役者が画のクオリティにあわせた素晴らしいお芝居をしていました」と話した。
釘宮も「本当に凄まじい作品なんだと、心から感じました。役者の芝居と画の美しさと音楽の素晴らしさと、何もかもが合わさっての総合芸術だなと感じました。こんな作品に関わることが出来て、なんて幸せなんだろうと思いましたし、これを劇場で観られる皆様もなんて幸せな時間を得られるんだろうと、胸が熱くなりました」と感激した様子。
堀江は、「もったいなくて、原作を途中までしか読んでいなかったのですが、今回映画を観て、猗窩座、これはカッコイイなと思いました」と、いろんな視点で楽しめることをアピール。堀内も「まず画が素晴らしく、それに負けないくらいのテンションで役者はセリフを言わなければならない。それを見事に乗り越えた役者たちも素晴らしい。そして、人間って何だろう、正義って何だろうとすごく感じることができ、感動しました」と、熱く語りトークは大いに盛り上がった。
イベントの最後には、鬼殺隊の一員として戦いを続ける鎹鴉たちを代表し、山崎から「会場の皆さん、そしてライブビューイングの皆さん、今日は本当にありがとうございました。鴉として携わっている我々も、この映画の素晴らしさに本当に感動しています。