本作は公開当時、『スター・ウォーズ』(7754億ドル/IMDb)を抜いて全世界でNo.1の約7.973億ドル(IMDb)の大ヒットを記録。
地球に置き去りにされてしまった異星人(E.T.)と、孤独な10歳の少年・エリオットとの友情を描いた本作。スティーヴン・スピルバーグ監督が両親の離婚など、複雑な家庭環境の中にいた自らの少年時代の記憶や思いが込められた作品としても知られている。CGが普及していない当時、得意のアニマトロニクスなどの特撮技術を駆使してE.T.をリアルかつ、愛らしい動きに演出している。
脚本は、元『ピープル』誌の記者で、当時ハリソン・フォードの恋人だったメリッサ・マシソン氏が担当。本作は、スピルバーグ監督が『レイダース/失われた《聖櫃》』(1981年)の撮影中のチュニジアで思いついたアイディアを彼女に話しながら構想をまとめていったという。音楽はスピルバーグ作品に欠かせない巨匠・ジョン・ウィリアムズ氏が担当。印象深く感動的なテーマミュージックで作品をよりエモーショナルに彩っている。
主人公のエリオット少年は、当時11歳のヘンリー・トーマスが演じた。日本語吹替は、公開当初、吹替版に難色を示していたスピルバーグ監督が、「この子なら」と自ら指名したという子役時代の浪川大輔(1988年の収録当時12歳)。エリオットの妹・ガーティ役は、ハリウッドの大スターであると同時に、テレビ司会者や、映画プロデューサーとしても活躍している『チャーリーズ・エンジェル』(2000年)のドリュー・バリモアが子役時代に演じている。
けがをしたエリオットにE.T.が指を差し出して治すシーンや、エリオットがE.T.を自転車のカゴに乗せて空を飛ぶ有名なシーン、胸が熱くなる感動的なラストシーンなど、心に残る印象的な場面が数多く登場する。