◆空中を歩くような無重力の動き、初めてできた感想は「とても不思議な感覚」
――SNSでは、「どんな訓練を積んだらこんな事ができるようになるんでしょう」「これだけ出来る裏にはどれ程の鍛錬があるのだろう」「スーパーサイヤ人や」などと驚きの声が寄せらました。「自重だけで体を鍛えてたら無重力を手にした」とのことですが、体幹を鍛える運動を始めたきっかけを教えてください。
「『ドラゴンボール』の孫悟空に憧れたのがきっかけです。悟空のようになりたいと思い、20歳からトレーニングを始めました。トレーニングを始めて12年目になります」
――どのようなトレーニングをしていたのでしょうか?
「最初の頃は、腕立て伏せや懸垂をひたすらやっていました。2年くらい経った頃に、このままではこれ以上進化ができないと感じました。そこでYouTubeでさまざまなトレーニングを調べていたら、海外の人が無重力筋トレをしている映像を見つけました。それが自分の中で“ビビッ”ときてやりたいと思い、すぐに練習を始めました」
――独学なのでしょうか?
「練習場所は主に公園や自宅で、指導者もいないので映像を参考にして独学で練習しました。サラリーマンとして工場で働きながら、毎日2~3時間みっちり練習しました。2年~3年続けるうちに、無重力パフォーマンスを習得できました。空中を歩くような無重力の動きを初めてできた時は、とても不思議な感覚でした」
――毎日続けるのが辛くなったりしなかったのでしょうか?
「トレーニングがキツイ、辛いと思ったことはありません。
◆Netflix『ファイナルドラフト』出演も…ストリートワークアウトの日本人初のアジアチャンピオンに
――ストリートワークアウトのプロアスリートとして日本人初のアジアチャンピオンに輝きました。「ストリートワークアウト」とはどのような競技なのでしょうか?
「ストリートワークアウトは、自分の体重を使ったアートと競技の融合です。器具不要で誰でも始められ、強さだけでなくしなやかさや見た目の美しさ、パフォーマンス性を競う競技です。大会では、『フリースタイル(演技形式)』と『ストレングス(力/回数勝負)』のようなカテゴリに分かれ、創造性や美しさ、力のバランスが評価されます」
――プロとしての活動や仕事内容を教えてください。また、ストリートワークアウトに関する大会での優勝経験がプラスになるのでしょうか?
「SNSでのインフルエンサー活動でスポンサーさんからの案件収入やイベントの参加が主な活動になります。アジアチャンピオンになっても、マイナーな競技なので、特に大きな変化はありません」
――得意技はありますか?
「腕立て伏せの体勢で足を浮かせて静止する技・プランシェを得意としています」
――SNSでは「人間鯉のぼり」も披露していますが、「空中を歩くワークアウト」と技の取得の難しさの違いや、できるようになる秘訣はあるのでしょうか?
「人間鯉のぼりは中級者向けで、空中を歩くワークアウトは上級者向けになります。できるようになるには、腕立てやプランクなどの基礎トレーニングが重要です。そこから少しずつステップさせ、コツコツと続けることが大切です」
――さまざまな場所で「人間鯉のぼり」や「空中を歩くワークアウト」を披露していますが、周囲の反応は?
「通行人には、いつも二度見されます(笑)。あと子たちが集まってきたり、写真や動画の撮影をお願いされたりもします」
――元トップアスリート25人が賞金3000万円をかけて競い合うNetflixのリアリティ番組『ファイナルドラフト』に出演しています。トップアスリートたちと戦う中で、どのようなことを得ましたか?
「トップアスリートは、体力はもちろん精神力や忍耐力も超一流です。そんな彼らから逆境や困難の乗り越え方を学びました」
――自重トレーニングを極める前と後で心境の変化はありますか?
「自重トレーニングを毎日継続する中で、『努力は必ず報われる』ことを実感しました。