韓国・釜山で開催中の「第30回釜山国際映画祭」(26日まで)で〈ミッドナイト・パッション部門〉に正式出品された『8番出口』が、現地時間18日深夜にハヌルヨン劇場で公式上映された。主演の二宮和也、共演の河内大和、川村元気監督の3人が上映前の舞台あいさつに登壇した。


 17日夜に行われたオープニングセレモニーには河内と川村監督が参加。遅れて合流した二宮は「開幕式の映像をチェックしましたが、日本からも多くの作品が出品され、すごい場所になっていると感じました」と語り、期待を膨らませながら公式上映の会場へと向かった。

 深夜0時からの上映にもかかわらず、約700席は満席。韓国初上映を待ちわびた観客で埋め尽くされた会場は、開演前から熱気に包まれていた。観客の大きな拍手に迎えられた3人は「アニョハセヨ!(こんにちは!)」と笑顔で登場。

 本作への出演経緯について、二宮は「ある日、川村監督に急に呼ばれて、『8番出口』を実写映画化したいと言われて、率直に『何を言ってるんだろう』と思いました。原作にはストーリーがないため、まずはどういう風に映画化をしていくのか構想を聞かせていただき、普通の映画ではない特殊な設定が逆に楽しそうだなと思い引き受けました」と振り返った。

 一方、“歩く男”を演じた河内は「私が出演したある舞台をたまたま川村監督が観劇していたのですが、その内容が歩くシーンを象徴的に描いており、オファーをいただきました。私は舞台にずっと出演してきて、体を使うことが得意だったため、今回の“歩く男”にぴったりはまったのだなと思います。本当にタイミングがよかったですね」と語った。

 最後に川村監督は「深夜に集まっていただきありがとうございます。スマホやテレビで映像を観る時代ですが、本作品は映画館で観るために作りました。
いろいろな意味で待たなければいけない、次に何が起こるのかを予想しなければいけない、鑑賞後もいろいろ考えなければいけない作品です。スマホをおいて95分間、『8番出口』の世界に没入してほしいです。韓国で最初にご覧になった皆さんから、ぜひ広めていただければ」と呼びかけ、舞台あいさつを締めくくった。

 本日19日午後には二宮が日本人俳優初となるプログラム「アクターズハウス」に登壇予定。野外舞台あいさつも実施する。
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