天心はキックボクシングで活躍し、2022年『THE MATCH』で武尊戦の勝利を最後に42戦無敗のままボクシングに転向。23年4月にプロデビューしこれまで7戦7勝(2KO)。今年2月には元WBO世界バンタム級王者のジェイソン・モロニーに判定勝利した。
井上は世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の弟で、18年12月にWBC世界バンタム級暫定王座を獲得。23年4月にWBA世界バンタム級王座を獲得し2度防衛するが、昨年10月に堤聖也に判定負けして王座から陥落。今回が約1年ぶりの再起戦となる。戦績は20戦20勝(5KO)2敗。
25日の正午より都内で会見が行われ、会場に設置された花道から両者が登壇。 先にマイクを持った井上は「この試合が決まって過去一にモチベーションが上がってるし、自分自身がワクワクしている。戦ってみないとわからないくらい緊張感のある試合になる。11月24日は王座に返り咲きたい」と意気込み。
対する天心は「8戦目で(世界戦に)来られたことをうれしくおもいます。2年半前にボクシング転向会見をこの同じ会場でやって、そのときに『ボクシングからの果し状』と言いましたが、その回収をこの場でしっかりできることが懐かしく思います」と振り返り、「自分の中で1個1個、目標と課題を持ってやってきたことが実った試合。これまでの7戦で蕾(つぼみ)をつけてきたので、今回の試合でしっかりと花を咲かせる」と宣言した。
8戦目にして世界タイトルに挑戦する天心は「世界王座への準備は常にしている。この試合が決まったから用意したわけじゃなく、2年半用意していた。この試合のためにいろんな準備をしてきた自負がある」とベルト獲得に自信を見せる。
そして「拓真選手に幽霊を見せたい」と意味深な言葉を投げかけ、「皆さん想像してもらえばわかると思います」と“幽霊”の真意は明かさなかった。
兄の尚弥から「絶対に勝てるぞ」と言葉をかけられた井上は、前回の敗戦についても触れ「1敗目もそうだったけど再起戦は恐怖心も何も無い。自由にできるというか、負けたからと言ってボクシング怖いというのはなく、ベルトも何もないので自由にボクシングができるんじゃないかな」と復帰戦を心待ちにしている。
この試合の意義について、天心は「やっと世間に響くカードができると思いワクワクしました。今の時代はSNSで何でも調べられて、すぐにめくれますから。誰とどういう試合をやって勝つのかが大事で、強いやつとやって勝つという格闘技の根本に戻る試合」と言葉に力を込めた。