第3試合
◯冨澤大智 - ×平本丈
判定(2-1)
お互いのファイターとしての存在意義をかけた注目の一戦は、冨澤大智が平本丈をスプリット判定ながら下して勝利を飾った。
BreakingDownで頭角を表した冨澤と、兄の平本蓮とともに鍛錬を積む丈。
前日の公開計量でもバチバチの火花を散らした2人は、ついにリング上で対峙すると、名前をコールされる際にお互いに中指を立てて憎しみをぶつけ合う。そして迎えた試合開始のゴング、にらみ合いから丈がタックルを仕掛けて冨澤のバックを奪ってコントロールし、そのままリアネイキッドチョークの体勢に。グラウンドになりしっかり冨澤の首をとらえたが、冨澤が根性を見せてしのぎ切ってエスケープすると、会場は大歓声に包まれる。
冨澤のヒザ蹴りがローブローとなり丈の回復のためブレイクの時間が取られ、1ラウンド残り1分9秒から再開すると、一転して打撃戦になりお互いに鋭いパンチを見せたところで最初の5分が終了した。
その続きのような展開で始まった第2ラウンド、戦前に「15分間漬ける」と宣言していた丈がキックを織り交ぜながら攻めるのに対して、右ジャブでコントロールする冨澤がプレッシャーをかける。丈はタックルに行かないのか行けないのか、緊張感が途切れないままラウンドが終了。
運命の第3ラウンド、丈がタックルに成功して上を取りかけたが冨澤がすぐに脱出し、離れ際に左のパンチをクリーンヒットさせ丈の顔が鮮血で染まる。そこからは一層の激しい打撃戦となり会場もヒートアップ、一進一退のまま終了のゴングが鳴ると、お互いを認め合うように抱擁。そして、両者ともコーナーに駆け上がって勝利をアピールした。
勝利者として手をあげられた冨澤は喜びを爆発させる。マイクでは「本当はKOで倒したかったのであんまデカいこと言えないけど、試合前から散々ヌカシてた自称格闘技有識者・解説者の皆さん、見る目無いから辞めたほうがいいんじゃないですか」と戦前の評価の低さを覆した結果に満足げだった。
そして「大みそか、リベンジしたいヤツがいるんですけど。篠塚!MMAフライ級で上がってくるんだったら、逃げられないでしょ。大みそか待ってるんで榊原さんオファーお願いします」と、2年前の大みそかにキックルールで敗れた篠塚辰樹に再戦をアピール。会場にいた篠塚は、両手で中指を立てながら退場していった。