『仮面ライダーオーズ/OOO』のヒロインとしてのスタートから、支持し続ける熱いファンを持つことで知られる高田。
撮影を手がけたのは、巨匠・沢渡朔氏(85)。これまで名作を数多く残してきた沢渡氏が、今このタイミングで高田を撮る、特別な意味を持つ作品となる。
撮影は焼けるような今年の夏の東京。2日間で撮り上げられた。けだるい暑さをまとう気配の中で行われた撮影は、2人の周囲だけが静ひつに満ち、不思議と時間の流れを止めたよう。沢渡氏のカメラに導かれるまま、軽やかに切り取られた高田の表情、体は、まるで素描(デッサン)を繰り返すかのように、シンプルにしてナチュラル。それでいながらそれぞれ仕上がった写真は重厚で、そこに映る高田はこれまでのグラビアとは全く違う質感で自分を表現していた。シンプルさと深みの相反するベクトルが、絶妙なバランスの上に成立した作品となっている。
純文学を思わせる世界観の『素描』。衣装は黒と白を基調としたシンプルなものが中心。無駄をそぎ落としたモノトーンが、高田の落ち着いた魅力を際立たせる。
高田里穂と沢渡朔氏。2人が交差する2日間から生まれた『素描』。一瞬一瞬、ただそこに存在する「素」を描き出した一冊となる。
■高田里穂コメント
よく晴れた汗ばむ初夏の日。「普通ではダメだよ」「カメラに向かってキメないで」。心の底まで見透かされたようなファインダー越しの沢渡さんの瞳。そうして紡がれた時間は没頭そのもので自分がどんな感情を持って挑んでいたのかすら、思い出せません。
だけど上がってきた写真を見た時、間違いなくあの時間は存在していたんだと。そしてそこに写っている自分は今までに見たことのない“真実の顔”をしていました。