独創的な言語感覚が多方面で高く評価されている滝沢が、とびきりユニークな母と祖父母に育てられたこと、そして、その大切な人びとにもう二度と会えないことは、これまで深くは語られてこなかった。
新しい家族が増えた今、心に秘めた家族の景色が薄れゆく前に。ファミリーヒストリーとしても残しておくべくつづった29篇からなる短編集。世代や性別を問わず不思議な懐かしさを感じさせる瑞々しい筆致となっている。
■滝沢カレン、コメント
私が小学生だった頃のちょっぴり温かく優しい記憶の中にある家族のお話を残してみました。
何十年たっても、なんなら何百年、何億年経っても消したくない思い出たちです。
記憶がすぐ薄まっちゃう未来好きの私には、この本を書くことが家族との永遠のとっておきアルバムになりました。
あの頃の記憶は大人になって思い出しても、何の変色することもなく鮮やかなまま穏やかに頭に残っていました。
忙しくてとか、悲しくなるからって深く思い出すことを避けてきた私でしたが、思い出してみて、今ここに残してよかったと思うことばかりです。
歩んできた道は愛たっぷり通りでした。
最愛の家族にも届け・・・!
滝沢カレン
■目次
ちっちとかっか、そしてママちっち/床/マーシャとの出会い/家庭訪問/運動会のお弁当/千疋屋のフルーツサンド/家族旅行/増築されたサンルーム/夏の生卵サイダー/夏休みの下駄/雨の日のカエル/オペラ大好きなかっか/我が家のカレー/ドライヤーへの憧れ/ラスベガスの旅/かっかと猫/庭でみかん狩り/ピンクのブローチ/ママのお風呂屋さん好き/馬油とハッカスプレー/和食に洋食器/テレビへの制限/ダースベーダー/ラ・ポワール/クリスマスプレゼント/越後湯沢の別荘/お正月/ママの焼くクレープ