主演の小栗旬が演じるのは、ある理由から人と握手すらできなくなってしまった潔癖症の御曹司・壮亮。
「雨に濡れたくない!」と駆け出したかと思えば、「雨に濡れて帰ってもらえますか?」と女性から傘を奪って去っていく──そんな“こじらせ”た一面をチャーミングに表現。恋愛とは無縁だった男が、初めて誰かを想うことで戸惑い、もがき、少しずつ変わっていく姿を繊細に演じる。まさに“王道ロマコメに小栗あり”を印象づける存在感を放っている。
そんな壮亮の前に現れるヒロイン・ハナを演じるのは、韓国のトップ俳優ハン・ヒョジュ。
“視線恐怖症”を抱えながらも、大好きなチョコレート作りで心の平穏を保ってきたピュアな女性だ。彼女が見せる少女のような笑顔と、壊れそうなほど繊細なまなざしが、ハナというキャラクターの魅力を際立たせている。
さらに、赤西仁、中村ゆりが演じるキャラクターたちの“不器用”ぶりも明らかに。ジャズバーのマスターで壮亮の友人の寛(赤西)は不眠症、壮亮とハナのカウンセラーでもある精神科医のアイリーン(中村)は酒癖が悪いという弱さを抱えているようで…。
欠けた部分があるからこそ、人間らしく、そして愛おしい。そんな彼らが一歩を踏み出そうとする姿を、時にクスッと笑えるユーモアを交えながら丁寧に描いていく本作に、ますます期待が高まる映像となっている。