2001年、BMWは「MINI」というブランドを新たに立ち上げた。過去のヘリテージを利用しながら、よりスタイリッシュでライフスタイル寄りの製品づくりが始まった。マーケティング発想の製品という面が垣間見えるいっぽうで、「FFベースのスポーティネス」という、それまでBMWが培ってきた、「ストレートシックスエンジン」「FR」「Mモデル」といったキーワードとは異なる、新たな価値を創造することに成功した。
「MINI」でFFの仕立て方をモノにし、続いてプラットフォームを共有するBMWブランドのFFモデルの開発にその経験を生かした。この結果、現行X1が登場したあたりから「最近の“エンジン横置きのBMW”はいい」というここ数年の高評価につながったというわけだ。
「プレミアム・スモール」というカテゴリーに、上級モデル「グランクーペ」の弟分として投入される今度のコンパクトな4ドアクーペは、どれほどスポーティーに、あるいはBMWらしく仕立てられているのか。松任谷がじっくりと向き合う。