映画『消滅世界』(11月28日全国公開)完成披露上映会が20日、都内で行われ、俳優の蒔田彩珠、柳俊太郎(※柳=旧字体)、恒松祐里、結木滉星、川村誠監督が舞台あいさつに登壇。冒頭から蒔田が先陣を切って元気にあいさつし、不穏な空気を漂わせる本作とはうってかわって、仲の良さをにじませた。


 本作は、芥川賞作家・村田沙耶香氏の小説が原作。舞台は、人工授精で子どもを産むことが定着した世界。夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は“家庭の外”の恋人か二次元キャラが常識に。“両親が愛し合った末”に生まれた主人公・雨音は母親へ嫌悪感を抱いていた。住民全体で計画的に人工授精、出産、管理を行い、住民みんなで子育てをする実験都市「エデン」が千葉に作られる。恋愛も性もない“理想の楽園”へ、雨音と夫の朔は居を移すが、その“正常”な日々は一変し、二人の関係を狂わせていく。

 主人公雨音を蒔田、雨音の夫・朔を柳、雨音の良き理解者として学生時代から雨音と親交を深める親友の樹里を恒松、雨音と同じ高校の同級生・水内を結木が演じる。

 冒頭のあいさつで、蒔田は「こんにちはー!」と勢いよくあいさつ。ほかの登壇者も蒔田に元気なあいさつで続いた。恒松は「さっきみんなで元気にあいさつしようって言っていて、主演が先陣を切ってくれた」とにっこり。作品を通して築いた和やかな関係性をにじませた。

 ついにお披露目となる完成披露上映会を迎え、「脚本をいただいたとき、どういうふうに、何を伝えられるのかを考えていたので、皆さんに見ていただくのは緊張もしますけど、楽しみです」と率直に明かした蒔田。
脚本を読んで「フィクションではあると思うんですが、割と近い未来の話を読んでいるような。だからこそゾクッとする」と感想を告白。「完全にSFではないなと思いました」と続けた。

 最後のあいさつでは「タイトルとかあらすじを見るだけだと、別世界の話で怖いなと思うかもしれないんですけど、観ていくうちに、どんどん自分のことのように思えてくる。普段考えないような、いまの世の中これでいいのかとか、愛についてとか、幸せについてとか、思いを巡らせることになるかもしれないので、観終わった後の不思議な感覚を皆様にも楽しんでいただけたらと思います」と期待を込め、「いっぱい広めてください」と少し照れながら呼びかけた。
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