山田監督は物語構造に触れ、「この作品は二人の男の物語が柱ですね。通常、男性二人が主軸になる場合、その間に女性が介在して三角関係のような構図になることが多い。けれどもこの映画はそうではない。その代わりに、二人の間に“芸”というもの、そして“血筋”という、どうにも抗えない不条理なテーマが介在している。そこを正面から描いたところが、この映画の非常に優れている点であり、そんじょそこらの作品とはまったく違うところだと感じました」と絶賛した。
これに李監督は「原作者の吉田修一さんの発明です。2人を置くことで“芸と血筋”の対立軸が立ち上がった。それをどう展開し、どう着地させるかが難しかった。物語の真ん中に“芸”がある以上、嫉妬や裏切りといったことよりも、芸に身を捧げる二人が、苦しみを分かち合い、結びついていく“美しさ”が、終盤に訪れるようにしたいと考えていました」と応じた。
続けて、「二人の人生はまるでシーソーのようで、どちらかが上昇しているときは、もう一方が地べたを這うような状況にある。
山田監督は「女性をめぐる嫉妬や奪い合いのようなものがあれば、物語はもっと単純になったかもしれません。しかしこの映画はどちらかが女性を“獲得する”話ではない。どうしようもない問題を背負いながら苦しむ――そのドラマがあるからこそ、この映画は“普通の映画”とはまったく違うものになった」と評した。
女形表現の完成度にも言及した山田監督は「簡単に身につくものではないのに、よくここまで」と舌を巻いた。
李監督は「稽古期間は約1年半。撮影中も続きました。日本舞踊の“すり足”から始めたんですが、最初の数ヶ月は『撮影に間に合うのかな』と心配になるほどでした。二人(吉沢亮・横浜流星)とも非常にストイックでした。結果的に“二人”だったことは良かったのかもしれません。
さらに、山田監督は「“(歌舞伎の)舞台の撮り方”が非常に印象的でした。斬新というより、むしろ普通なら絶対にやらない撮り方をしている」と指摘。「基本的に舞台を撮るときには“約束事”があるんです。カメラは観客側から舞台を正面に見る――という構図。でも、『国宝』はそこをまったく恐れず破っている。カメラが役者の側に回り込み、役者の“目線の向こう側”に観客が見える。でもその理由が明確で、舞台上の役者の感情を捉えたいという意図があるからこそ、違和感がない。これがとても珍しく、しかも見事に成立しているんです。観客にとっても新鮮だったと思います」と話していた。
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