――“朝ドラ”の執筆はいかがですか?
朝ドラは15分×125回あります。
実際に書き始めてからは、書くことの長さは実はそんなに感じていません。先を見通してものを書くタイプではないので、スタッフのみなさんと一週一週の内容について打ち合わせを重ねて書く、ということを繰り返しています。
――「この世はうらめしい、けど、すばらしい。」というコピーは、どのようにして生まれたのか教えてください。
もともとはキャッチコピーとして考えたわけではなかったんです。制作統括の橋爪さんが「ばけばけ」の企画書を提出するときに、そこに『ばけばけ』とはどんな話かというのを一枚くださいと言われて、そこに書いた内容の大見出しがこの言葉でした。まだドラマの大きな筋も決まっていなかったので、小泉八雲の怪談に引っ張られて、「うらめしい」というワードが出てきて、あまり考え込まず、すんなりと書いた覚えがあります。
トキやヘブンの生き方は、貧しかったり、両親と疎遠だったり、うらめしいことが続いたという共通点があります。そんな二人が出会って、“うらめしい”から“すばらしい”に化けていく。
トキとヘブンに限らず、この物語に出てくる人はみんなうらめしいことがあります。それでも、笑顔を忘れないというか、どこかでこの世はすばらしいととらえて生きている登場人物たちであってほしいという願いも込めて書きました。
――今週放送の第8週はどのような回でしょうか?
松江に取材で行った時に、八雲が薬局でビールを買っていたという話を聞いたので、それをぜひ使いたいなと思っていました。女中であるトキがビールを買うよう頼まれたとしたら、当然ビールのことは知らないからどういう風に買うのだろうと考えた結果、このようなビア探しのエピソードになりました。僕にとっては王道の回です。
今週は登場人物がみんなでスキップを練習するエピソードもあります。史実に八雲がスキップをしていたという話は全くないので、これは僕の想像です。一緒に身体を動かして楽しむことで、トキとヘブンの仲が縮まっていくとさらに良いなと思いました。“ビア”は言葉遊びみたいなところがあったので、他に西洋のもので身体を動かしたくて、「この時代の日本の人はスキップはやっていなかったのでは」とふと思いつきました。着物でやるのは大変かなとも思いましたが、一回書いてみたうえで演出の皆さんに委ねようと、先に書いてしまいました。そうしたら「(着物でも)できます」という話になったので、ぜひぜひ、みんなにスキップしてもらおうと。
――今後の見どころと視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
これから、トキとヘブンが一緒になるまでをじっくり書いています。トキにとっては、まったく初めて見る異国の人。価値観の違いよりももっと手前の、本当に何も知らないところからの始まりでした。ヘブンも全然知らない土地である日本に初めて来て、怖かったと思います。そんなふたりが、全然自分とは違うことをどう受け入れていくか。ヘブンのモデルの八雲も「オープンマインド」と言っていますが、心を開いて、なんとか分かろうとして、お互いに歩み寄っていきます。
今後も、『ばけばけ』というタイトル通り、いろんなことが“化けて”いきます。うらめしいことだったり、悲しいことだったり、それがちょっとずつすばらしいものに変わっていくのを、見ていただけたらうれしいです。
そして、何も起こらない週が来た時に、「あ、何も起こらないのに面白いな」と思ってもらえたら、それが一番うれしいです。

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