『佐々木、イン、マイマイン』(2020年)、『若き見知らぬ者たち』(24年)と青春の痛みと希望を繊細に描き続けてきた内山拓也監督。その最新作『しびれ』が、2026年に劇場公開されることが決定した。
22日に都内で開催された「第26回東京フィルメックス」でのワールドプレミアで発表された。あわせて、映画祭用ポスタービジュアルが公開された。

 解禁されたビジュアルは、北村匠海演じる主人公・大地が、曇天の新潟の冬空の下、まっすぐにこちらを見据える一枚。力強く手書きで記されたタイトル「しびれ」がダイナミックに配置され、凍てつく新潟の町並みと大粒の雪が広がる画面は、作品の空気を一瞬で伝える力を持つ。決意とも、静かな祈りとも取れる北村の表情は、観る者の胸にざわめきを呼ぶ。

 本作は、監督が十年以上前から書き続けてきたオリジナル脚本で、自身の故郷・新潟を舞台とした自伝的作品。居場所を見つけられず、言葉を失った少年・大地が、母や父との複雑な関係を抱えながら、“かすかな光”を手繰り寄せていく20年間を描く。

 青年期の大地を北村が演じ、水商売で稼ぐ母を宮沢りえ、暴君のようだった父を永瀬正敏が演じるほか、少年期の大地は榎本司、加藤庵次、穐本陽月の3人が担当。雪に覆われた新潟の景色そのものが、もうひとつの登場人物として物語を支える。

 「第26回東京フィルメックス」は、11月30日まで、有楽町朝日ホール、ヒューマントラストシネマ有楽町で開催。
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