■祖母の思いを連れていく、帯リメイクを決めた理由
――おばあさまの形見の帯をリメイクした「結婚式ドレス」とても素敵でした!大好きな3つ上のお兄さんの結婚式を“おばあちゃんにも見てもらいたかった”という思いがあったと投稿で拝見しましたが、改めて帯をリメイクしようと思われたきっかけを教えてください。
「海外に赴任中の兄の結婚式が決まったとき、『どんなドレスを作ろうかな?』と生地屋さんを巡ったり、数ヵ月悩んだりしていました。そんな中で、1年前に亡くなった母方の祖母の遺品整理を手伝うことになって。祖母のクローゼットを開けると、衣装ケース4箱にぎゅうぎゅうに詰まった着物や反物、帯がたくさん出てきたんです。家に持ち帰って一つひとつ広げて見ていたら、この金色の帯に心を奪われて、『派手好きな祖母なら、きっとこの帯を締めて兄の結婚式に参列したかったはず!』と思い、この帯でドレスを作ることを決めました。祖母は初孫である兄をとてもかわいがっていたので、そんな兄の晴れ姿を見てもらいたい、という思いもありました。」
――「帯リメイクドレス」のこだわりポイントを教えてください。
「一番こだわったのは、帯と合わせる生地です。もともと帯の柄がかなり派手なので、いつものように普通の生地を合わせてしまうと帯だけが浮いてしまう。せっかくの柄の良さも生かせません。そこで、こだわり生地を買うときに通っている神戸の生地小売店を訪ねました。
――かなりインパクトのある生地ですよね。選ぶのにも勇気がいりそうです。
「そうなんです。こんな派手な生地は使ったことがないし、目立ちすぎるのでは…とマナー面でも迷いました。でも、お店の方が『結婚式という祝いの場にはぴったり。会場を明るくしてあげて』と背中を押してくださって、決意できました。次にこだわったのはシルエットです。帯がきれいに見えて、スタイルもよく見えるようにとデザイン画を描きながら考え、最終的にマーメイドシルエットに決めました。帯は全面刺繍でかなり分厚く、縫うのも大変でしたが、一針一針、祖母のことを思い出しながら丁寧に仕上げました」
■一枚の帯から世界へ 着物リメイクで広がる物語
――帯は素材も特殊で扱いが難しいイメージがあります。具体的にはどんな点に注意が必要でしょうか?
「まず、アイロンの当て方には注意が必要です。光沢が失われたり、生地自体が溶けてしまうことがあります。また、古い帯ほど熱と湿気に弱いので、裏から中温・スチームなしでかけるのが安心です。
――かなり繊細な作業なんですね。
「そうですね。でも私が一番伝えたいのは、多少シミがあっても、ほつれていても、“愛情を込めて手を加えれば、新しい形に生まれ変わる”ということ。着物や帯のどこかに傷みがあっても、手を加えれば必ず生き返ります。ぜひ皆さんにも、いろんな形でリメイクに挑戦してほしいです」
――近年、着物や帯の処分に悩む高齢者が増え、買取トラブルなども報告されています。また、形見として受け継いだものの扱いに迷う子世代も多いと聞きます。そのような中で、着物や帯をリメイクして新しい形に生まれ変わらせる取り組みは、“サステナブルな文化継承”と言えると思います。着物・帯リメイクへの思いをうかがえますか?
「本当にその通りで、私の周りでも『たくさん出てきたから売ったら処分代としてお金を取られた』『数百円にしかならなかった』という声をよく聞きます。フリマサイトでまとめ売りしても在庫過多で赤字になる方も多いです。そんな現状を知るほど、『着物や帯を捨てず、次の世代に受け継げる形にしたい』という思いが強くなって、これまでSNSでたくさん発信してきました」
――その発信が海を越えて、海外でのチャンスにもつながったんですね。
「はい。
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