本作は、完全オリジナル脚本で描く“予測不能な逃亡劇”。人質の社長令嬢・八神結以(桜田)と誘拐犯・林田大介(佐野)の2人が逃避行を始めたことで、「それは誘拐のはずだった」のサブタイトルが示すように、思わぬ事態に巻き込まれていく。
北村が演じたのは、八神製薬社長・八神慶志。物語の序盤は娘の結以にGPSをつけて監視するなど謎めいた言動が目立ったが、中盤で結以の出生の秘密が明かされると、慶志がこれまで抱えていた苦悩に視聴者からは同情の声が寄せられた。
さらに、八神製薬が買収され、信頼していた秘書・藤(田中俊介)には裏切られ、すべてを失ったかに見える慶志。9話のラストでは慶志のもとに八神製薬の闇を追い続ける記者の白木(山口馬木也)が訪れ「呪いを解きにきた」と宣言。最終話で、“さとり”の能力の真相と、八神製薬創業者の恭一(間宮啓行)との過去に何がったのか、このドラマ最大の謎が明かされる。
【コメント全文】
――『ESCAPE』の撮影を振り返っていかがでしたか。
今回は最後の展開まで見通せない状況での怒涛の撮影スタートでした。作品への想いが膨らみお引き受けしましたが、気づいたり、引っ掛かる状況への対処が自分の精神的には結構大変ではありました。台本についてはオリジナルということもあり、いろいろと相談しながら娘との親子関係の中で出る言葉や、リアリティを追求しなければいけない部分など、探りながらやっていました。でもやはり現場は、それこそ何十年と一緒にやっているスタッフもいたりして、楽しかったですね。
――八神慶志という人物は、演じてみていかがでしたか。
自分でも当初はわからなくて、どういう人物で今後どうなっていくのかをその都度聞きながらやっていたのですが、今になってようやくわかるんですよね。今考えると、ただただ娘に対して愛情深い、そういう人物像だったと思います。奥さんに先立たれ、一人娘は実は本当の娘ではなくて、“さとり”の力に振り回されて。これほどかわいそうな人間はいない。でも、結局最後に残るのは愛情かな、と。ひと言で言うと慶志は“愛情深い”でまとめられると思います。
――印象に残っているシーンはありますか。
慶志としてではなく、個人的に言わせていただきますが、最終話は“いやいや詰め込み過ぎだろう!”と(笑)。10話は本当にいろいろな事件が起こりますよ、カルボナーラの上にカツ丼がのってるぐらいてんこ盛りです(笑)。もう少しほかの話に分けてくれてもよかったと思うくらいです。
仕事とか撮影は必ずしも思い通りにいくものではないのですが、やっぱり楽しいだけじゃなく、仕事として戦わなきゃいけない部分もあると思います。

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