米ウォルト・ディズニーとOpenAIは現地時間11日、AI映像生成プラットフォーム「Sora」において、ディズニーの人気キャラクターを使用可能にする3年間の包括的ライセンス契約を締結した。

 発表によると、「Sora」はユーザーの入力をもとに、ミッキーマウスやマーベル、ピクサー、スター・ウォーズのキャラクター、乗り物、衣装、小物、象徴的な背景などを使った短編ソーシャル動画を生成。
ファンは自らのアイデアをもとに物語を創り、シェアすることができる。また、「ChatGPT Images」を使えば、数語の入力から瞬時に関連画像生成も可能になる。SoraおよびChatGPT Imagesによるディズニーキャラクターの生成機能は、2026年初頭に開始予定。

 ファンが自身の作品に使用できるキャラクターには、ミッキーマウス、ミニーマウス、リロ、スティッチ、アリエル、ベル、ビースト、シンデレラ、ベイマックス、シンバ、ムファサのほか、『ミラベルと魔法だらけの家』、『アナと雪の女王』、『インサイド・ヘッド』、『モアナと伝説の海』、『モンスターズ・インク』、『トイ・ストーリー』、『カールじいさんの空飛ぶ家』、『ズートピア』などの作品世界のキャラクターも含まれる。

 さらに、マーベルやルーカスフィルムのアニメ/イラスト版キャラクターとして、ブラックパンサー、キャプテン・アメリカ、デッドプール、グルート、アイアンマン、ロキ、ソー、サノス、ダース・ベイダー、ハン・ソロ、ルーク・スカイウォーカー、レイア、マンダロリアン、ストームトルーパー、ヨーダなども使用可能に。ただし、俳優の肖像や声は含まれず、使用は映像・世界観に限定される。

 OpenAI は、年齢に応じた利用ポリシーや適切な制御機能の継続的な実装を約束。ディズニーとOpenAIは、違法または有害な生成を防ぎ、コンテンツ所有者の権利や、個人の肖像や声の使用制御を尊重する体制を維持することを明言している。

 また、契約の一環として、Soraで生成された一部動画は「Disney+」でも配信される見通しだ。加えて、OpenAIのAPIやChatGPTを活用し、Disney+向けの新機能や社内ツールの開発も進められる。さらに、ディズニーはOpenAIに10億ドルの出資を行い、追加株式の購入権も取得するという。

 ディズニーCEOのロバート・A・アイガー氏は、「AIの進化はエンタメの形を変える瞬間。
責任ある技術活用で、物語がより深くファンとつながる未来を目指す」。

 OpenAI CEOのサム・アルトマン氏は、「ディズニーは物語づくりの金字塔。SoraとChatGPT Imagesを通じ、創造性の新しい扉を開く」とコメントしている。

 AIによるコンテンツ生成が国境や文化、法制度を超えて広がっている現在、両社の新たな試みは、エンターテインメント分野における責任あるAI利用基準の確立に向けた重要な動きとして注目される。
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